2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳軟膜における微小循環血流と酸素代謝の可視化解析および人工血液研究への応用
Project/Area Number |
15700340
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
塚田 孝祐 川崎医科大学, 医学部, 助手 (00351883)
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Keywords | 微小循環 / 脳血流 / 酸素代謝 / 蛍光 / リン光 / 生体計測 |
Research Abstract |
脳神経細胞は虚血侵襲に脆弱であり,全脳あるいは局所脳虚血モデル実験では虚血前後における微小循環動態の解析に加え,局所酸素分圧の情報が重要となる.本研究では微小循環動態の変化に伴って変化する脳細胞の酸素代謝を時系列的に評価するために,血流解析および微小血管内酸素分圧計測を行い,さらにミトコンドリア内TCA回路で産生される補酵素NADHの紫外吸光特性に着目し,組織酸素代謝レベルのイメージングを試みた. Wistar系雄性ラットを2群に分け,細静脈酸素分圧計測群と脳表NADH蛍光計測群とした.右大腿動静脈および左大腿動脈を確保し,左頭頂骨にclosed cranial windowを作製した.微小循環血流は赤血球をFITC標識することで可視化した.脳皮質NADH蛍光は370nmの紫外光を断続的に照射し,λ>420nmの蛍光を画像として取得すると共に連続的に輝度解析した.実験は大腿動脈より脱血して血圧を40mmHgまで低下させ,その状態を10分間維持し,その後自己血液を輸血することで蘇生させた. 脱血による血圧の低下に伴って血流速度および微小血管内酸素分圧は著明に低下し,相反的にNADH蛍光輝度がおよそ20%上昇した.また,返血蘇生によって各パラメータはbaselineへ回復した.以上より,脳虚血による微小循環血流障害,微小血管内酸素分圧の低下,脳組織における好気性酸素代謝レベルの低下といった一連のプロセスを同一固体において連続的かつ定量的に評価することが可能になった.本計測システムは局所微小循環動態および酸素代謝の解析,人工酸素運搬体の評価等に有用であると結論できる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tsukada K.et al.: "Red blood cell velocity and oxygen tension measurement in cerebral microvessels by double-wavelength photoexcitation"Journal of Applied Physiology. (in press).
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[Publications] Tsukada K.et al.: "Development of catheter-type optical oxygen sensor and applications to bioinstrumentation"Biosensors and Bioelectronics. 18・12. 1439-1445 (2003)
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[Publications] 塚田孝祐, 他: "人工酸素運搬体Neo Red Cell交換輸血時の脳微小循環動態および酸素分圧計測"脳循環代謝. 15・4. 196-197 (2003)
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[Publications] 塚田孝祐, 他: "軟膜微小循環血流と局所酸素分圧およびNADH蛍光計測による脳皮質酸素代謝の可視化解析"バイオイメージング. 12・3. 217-218 (2003)
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[Publications] 塚田孝祐, 他: "脳虚血における微小循環解析と組織酸素代謝イメージング"脈管学. 43・9. 553 (2003)