2003 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能位相検出型光コヒーレンストモグラフィの開発
Project/Area Number |
15700345
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡部 裕輝 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00333328)
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Keywords | OCT / ポリコンスキャナ |
Research Abstract |
本年度は,撮像システムである低コヒーレンス干渉計による光コヒーレンストモグラフィ(OCT, optical coherence tomography)を構築した.近年,OCT技術は,高速かつ高感度にデータ取得を行っている.そこで本研究では,高速な走査が可能であるポリゴンスキャナを用いたOCTシステムを構築した.また位相検出は,当初,検出した光の時間変化からヒルベルト変換によるデジタル信号処理により位相の変化を推定する予定であったが,計算時間の短縮のために,実験的にそれらを行う光ヒルベルト変換を採用した. ポリゴンスキャナを用いた光軸方向走査では、ビート周波数が走査位置で非線形的に変化し、高速時に非線形性が増大してしまう.そこで本研究ではその線形補正法について検討した. スーパールミネッセントダイオード(中心波長1310nm,スペクトル半値全幅30nm)を光源とするマイケルソン干渉計を構築し,参照光はポリゴンミラー(6面,面間34.64mm)と凹面ミラーで反射され干渉計へと戻される.ポリゴンミラーの回転数を15000rpmに設定したとき,1.5kHzで6mmのAスキャンが可能である.しかし,線形なスキャンでないため,ビート周波数が5〜40MHzまで変化し,このままでは市販のAD変換ボード(サンプリングレート5MHz)で計測するのは困難である.そこで6〜39MHzの範囲で3MHz間隔に発生させたコム状信号を用いて,ビート信号の周波数をダウンさせて,AD変換を可能にした.更にAD変換されたデータからスキャンの非線形性を補正し,断層画像とした.この内容は,2004年3月に行われた応用物理学会で報告した.
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