2003 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク結合型並列コンピュータを用いた体内組織および骨内伝搬音波の解析
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15700357
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
土屋 健伸 神奈川大学, 工学部, 助手 (50291745)
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Keywords | 生体内音波伝搬 / 骨粗しょう症 / 並列演算解析 / PCクラスタ / 時間領域差分法 / 安全性 / 生体内部温度上昇 |
Research Abstract |
本年度は生体の音響特性を捉えるため,超音波パルスの伝搬解析を時間領域差分法を用いてシミュレーションを行った。まず並列演算音波伝搬プログラムを作製するために,申請器である並列演算コンピュータシステム(PCクラスタ)を安価な部品を用いて自作して,市販品に比べ非常に安価なシステムを構築した.その演算システムの性能を測り,その有効性を示し学会で報告した.そしくそのPCクラスタを使用して水中・空気中の音波伝搬解析を行い,正確で正しい結果を得られるようになった.この手法を導入する事により正確な生体内での音波伝搬プログラムが開発できると言える。また本研究は生体への安全でクリーンな手法である超音波診断の確立を目的としているが,これに対し,昨今では超音波による生体内部の温度上昇の懸念が取り沙汰されており,超音波の生体内温度上昇の検討も併せて行った.前述のPCクラスタで解析を行い従来以上の高い精度で温度上昇が推定できるか検討した。また同時に検証実験を行った. 以下に本年度の成果をまとめる. 1、並列演算アルゴリズムを作成して高速化を図り,8台のPCクラスタで約5.6倍の性能向上を確認した。さらに多くのPCを用いることで更なる高速化が期待できる。 2、超音波による生体内の温度上昇の基礎的検討として,並列演算システムによる解析,検証実験を行い,超音波強度1.2W/cm^2以下であれば温度上昇が安全値に収まることを確認した. これらの結果については、日本音響学会や海洋音響学会,世界超音波会議(World Congress on Ultrasonic),日本応用物理学会で報告した。また来年度の医学と生物学に関するアジア超音波会議(AFUSMB)でも報告予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.YAMADA, T.TSUCHIYA, N.ENDOH: "Received Pulse from an Aerial Ultrasonic Sensor Affected by Temperature and Relative Humidity"Jpn.J.Apl.Phys.. Vol.42 No.5B. 3029-3030 (2003)
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[Publications] 土屋健伸, 山田康博, 遠藤信行, 小川誠, 竹井学: "海底遷移層からの反射パルス波の時間領域差分法による推定"電子情報通信学会技術研究報告. US2003-37. 71-76 (2003)
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[Publications] T.Tsuchiya, Y.Yamada, N.Endoh, M.Ogawa, G.Takei: "Comparison of estimated pulse waveform using by FDTD method and observed received pulse in shallow water"Proc. of the World Congress on Ultrasonics. 681-684 (2003)
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[Publications] 山田康博, 前田怜, 土屋健伸, 遠藤信行: "MPIを用いた三次元FDTD法による音場解析"2003年度日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 1027-1028 (2003)
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[Publications] 前田 怜, 山田康博, 赤井澤恵一, 土屋健伸, 遠藤信行: "三次元FDTD法による空中超音波センサーの音場情解析(1)-数値計算の基礎的検討-"2004年度日本音響学会春季研究発表会講演論文集. 1105-1106 (2004)
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[Publications] 土屋健伸, 石ヶ休沙知, 山崎隼人, 田中利明, 遠藤信行: "超音波照射による生体内の温度上昇の数値解析による基礎的検討"2004年度日本音響学会春季研究発表会講演論文集. 917-918 (2004)