2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の力学的歩行パラメータと過渡歩行動作の関係解析
Project/Area Number |
15700372
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
池内 秀隆 大分大学, 工学部, 助教授 (50264130)
|
Keywords | 過渡歩行 / 力学的解析 / 逆変動 / 床反力 / 高齢者 / 転倒 / リハビリテーション / バランス能力 |
Research Abstract |
本研究は,高齢者の力学的歩行パラメータと過渡歩行動作の関係を解析し,転倒予防やリハビリテーションの評価に応用することを目的としている.本年度は,力学的パラメータとして足指把握力,足指背筋力,歩行開始時作用点後方逆変動,歩行開始時作用点前方逆変動,静止立位時作用点最大可動量,静止立位時作用点変動を検討した.大きく分けて以下の3点の結論が得られた. ・高齢者の歩行開始実験,足指把握力実験を行い,歩行開始時の作用点逆変動と足指把握力との間には相関があることを示した.また,作用点逆変動の大きさは転倒経験者と非経験者で有意差があることを示し,先行研究において足指把握力と転倒との関係があることを考え合わせ,転倒予測に歩行開始時の作用点逆変動が利用できる可能性を示唆した. ・若年健常者を被験者として,上記の各力学パラメータの相関関係を調査した.その結果,静止立位時の作用点最大可動量にも作用点逆変動,足指把握力との相関が見られることが示され,これらを用いて転倒やリハビリテーションの効果検証に応用できる可能性が示された.また,足指把握力を適切に測定する方法についても検討した. ・歩行開始直前の作用点軌跡と体重心軌跡を比較すると,若年者では比較的一致するのに対し,高齢者では一致しない例が多かった.高齢者の中でも下肢機能が低下していると考えられる被験者の方が一致度が低く,下肢機能の低下を評価するパラメータとして作用点体重心偏差を利用することができる可能性が見出された.
|