2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中片麻痺患者における下肢駆動型車椅子による運動効果の検討
Project/Area Number |
15700388
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
牧野 健一郎 産業医科大学, 医学部, 助手 (30341514)
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Keywords | 脳卒中 / 片麻痺 / 下肢駆動型車椅子 / 酸素摂取量 |
Research Abstract |
脳卒中片麻痺患者の移動手段として多く利用されている普通型車いすは、駆動速度が遅く、その効率も悪い。一方片麻痺患者でも座位ならばペダリング動作が可能なことより、下肢駆動による車いすの有用性に着目し、その運動負荷を検討するのが本研究の目的である。 これまで健常青壮年を対象として、同一条件下での駆動における運動負荷を検討した。対象は8名(男性6名、女性2名)の健常者で、平均年齢28.9歳である。車いす用トレッドミル上で、普通型車いすと下肢駆動型車いす、(EZchair【○!R】)を時速1.0kmおよ2.5kmで6分間駆動し、最終30秒間の酸素摂取量の平均値から、各車いすの負荷を比較した。その結果酸素摂取量は、時速1.0kmでは普通型車いすが7.4±2.1ml/min/kg、下肢駆動型車いすが6.7±1.8ml/min/kgであり、時速2.5kではそれぞれ13.6±2.3ml/min/kgと8.6±1.2ml/min/kgであった。また、心拍数は、時速1.0kmでは普通型車いすが81.1±5.3拍/分、下肢駆動型車いすが74.9±5.9拍/分であり、時速2.5kmではそれぞれ97.3±4.2拍/分と77.4±5.8拍/分であった。同じ速度における比較で時速1.0km・2.5kmともに、下肢駆動型車いす駆動時のほうが普通型車いす駆動時よりも酸素摂取量は少なく、心拍数は低くなっていた。この結果はいずれも統計的にも有意であることから、下肢駆動型車いすのほうが普通型車いすよりも駆動時の負荷が小さいことが判った。 平成16年度は、引き続き脳卒中片麻痺患者(中高年者)を対象として同様の評価を行い下肢駆動型車いすの有用性を示す予定である。
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