2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700392
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Aeronautical Engineering |
Principal Investigator |
深谷 直樹 東京都立航空工業高等専門学校, 講師 (80353259)
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Keywords | 球面超音波モータ / 食事介助 / 超音波モータ |
Research Abstract |
本研究で基幹となる技術は、単体3自由度駆動、小型軽量、静粛性を実現する球面超音波モータの基本的特性の向上である。だがこのモータは革新的な技術であり、その設計手法については十分な研究がなされているとは言い難い。そこで今年度は球面超音波モータに適した形状判別手法の確立について取り組んだ。そこで経験則が優先され基本的な理論解析はまだ十分にされていないステータ形状に関し、その特性向上について検討を行った。研究費より形状解析において実績を有するMSC社製有限要素解析ソフトMSC Nastran 2001、Patran 2003と、このソフトウェア用に特化した解析処理端末を導入した。これにより3次元モデルを作成し実動作と同様の環境条件を与えモーダル解析が行え、実際の動作環境下における諸条件を変更した場合の影響を容易に判別でき、モデルの整合性を即座に判別できる。 中でも着目した点は基礎円幹部の形状効果である。これまでは単純な長方形断面の円環とならざるを得ず、これが拘束条件として性能の特性と設計自由度を妨げていた。特に曲面に接触せざるを得ない球面超音波モータ用ステータにおいてはその影響は極めて大きく、共振周波数f、接触片高さといった出力特性に負に作用する値の増大を招く結果となっていた。そこで解析を繰り返した結果、断面を斜行平行四辺形に変更し、曲面に平行になるように配した斜行断面モデルを開発した。この結果従来の単純円環形状ではf=76.5KHz、接触片高さ4.5mmとなるのに対し、本研究のステータはf=40.5kHz、接触片高さ2.0mmと半分程度まで減少し、接触片を出力特性向上に望ましい外周部へ配置しつつ、共振周波数及び接触片形状も理想的な値にすることが可能となった。この形状はこれまでにない斬新な発想であり、形状的に特性向上が難しいとされていたステータ設計に新しい手法を拓くものである。
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Research Products
(1 results)