2004 Fiscal Year Annual Research Report
協働筋の活動交替の発現機序をIa群求心性神経活動から解明する
Project/Area Number |
15700396
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神崎 素樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30313167)
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Keywords | 活動交替 / 協働筋 / 生理的振戦 / Ia群求心性神経活動 / 張力変動 / 機械的振動刺激 / 表面筋電図 / 筋音図 |
Research Abstract |
研究実績は以下のとおり. 低強度・長時間の静的筋活動中に観察される"協働筋の活動交替"の発現機序を明らかにするために,Ia群線維神経活動に着目した. 活動交替中にIa群線維が貢献(活動)しているか否か,さらに,いずれの筋に由来するかを明らかにするために,活動交替中に観察される発揮張力の変動を検討した(研究1).その結果,活動交替の発現する条件下では,発揮張力の変動係数は増加と減少を繰り返し,さらに活動交替と同期していた.本研究で観察された発揮張力の変動の周波数特性を検討したところ,8-12Hzの高周波成分が活動交替と密接に関連していることから,この張力変動がIa群求心性神経活動由来の生理学振戦であることが晃になった.さらに,この見解が大腿四頭筋の中で大腿直筋のみに見られた.これら結果より,大腿直筋のIa群求心性神経活動が活動交替の発現要因であることが示唆された(Kouzaki et al. J Appl Physiol 2004).この実験中,筋音図により筋の振動を定量評価した(研究2).その結果,電気的活動(筋電図)に対する筋の振動(筋音図)の大きさは,他の協働筋に比して大腿直筋が顕著であった.さらにこの振動は8-12Hzで電気的活動とコヒーレントであった.これら結果は,研究2を強く支持するものである.研究3では,あらかじめ大腿直筋,外側広筋および大腿四頭筋全体のIa群線維活動を減退させたときの活動交替の様相を検討した.Ia群線維活動を低下させるために機械的振動刺激法を用いた(Kouzaki et al. J Appl Physiol 2000).その結果,大腿直筋および大腿四頭筋に振動刺激を与えた条件の活動交替の頻度は,外側広筋に振動刺激を与えた条件および振動刺激を与えない条件よりも有意に高く,また最初の発現時間が有意に短かった.この結果より,大腿直筋のIa群線維の活動が活動交替発現のトリガーになっていることが示唆された.
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Research Products
(1 results)