2005 Fiscal Year Annual Research Report
協働筋の活動交替の発現機序をIa群求心性神経活動から解明する
Project/Area Number |
15700396
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神崎 素樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30313167)
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Keywords | 大腿直筋 / 相互相関関数解析 / 表面筋電図 / 筋疲労 / 大母集団 / 最大筋力 / 機能的意義 / 立位姿勢保持 |
Research Abstract |
低強度・長時間の静的筋活動中に観察される"協働筋の活動交替"の発現機序を明らかにするために,協働筋間の時間的活動に着目した.さらに,活動交替の機能的意義について検討した. 活動交替中にIa群求心性神経活動が貢献していること,特に大腿直筋の活動が密接に関連していることが15〜16年度の研究で解ってきた.そこで研究1では,協働筋の活動交替を誘発する筋を特定するために,筋活動の時間的関連性を相互相関関数解析より検討した.大腿直筋,外側広筋,内側広筋より表面筋電図を導出し,各筋の筋電図系列および一階時間微分による筋電図変化速度を算出した.その結果,大腿四頭筋の活動交替発現時,大腿直筋が他の協働筋よりも時間的に早く活動の変化が起こっていることが明らかとなった.この結果より,協働筋(大腿四頭筋)の活動交替は大腿直筋の活動の激変がトリガーとなっていること,および制御していることが示唆された(現在,国際誌に投稿準備中). 活動交替の機能的意義を明らかにするために,活動交替の発現頻度と筋疲労の程度(最大筋力の低下)との関係を大母集団(41名)について検討した(研究2).その結果,活動交替の発現頻度と最大筋力の低下の程度との間には有意な負の相関関係(r=-0.65)が観察された.一方,筋活動の量的特牲である各筋の筋電図積分値と最大筋力とは無相関であった.これら結果から,活動交替は筋疲労を抑制するために発現することが示唆され,これが活動交替発現の機能的意義であることが考えられた(国際誌に投稿,査読中). 活動交替が日常生活でも発現するか否かについて明らかにするために,安静立位時を長時間(1時間)行ったときの下腿三頭筋(安静立位の主働筋)の筋電図活動を観察した.その結果,立位30分以降に下腿三頭筋間で活動交替が観察された.この結果より,活動交替は,日常生活の大部分を占める低強度の身体活動(神崎ら2001)の疲労を軽減するために合目的に機能することが推察された.
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Research Products
(1 results)