2003 Fiscal Year Annual Research Report
前十字靭帯不全膝の前方引き出しに対する制御機構の解明―PETによる評価を用いて―
Project/Area Number |
15700403
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大沼 正宏 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90344663)
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Keywords | 前十字靭帯損傷 / PET / 筋活動 |
Research Abstract |
スタビリティシステムBDX-STを用いた動的な姿勢制御能力の評価法には様々なものがあり,その難易度も様々である.若年者の一般的な平均値がない(メーカー発表)ため実験に先立ち対象外の健常人や膝に疾患をもう人をBDX-STの様々な方法で測定した.その結果ダイナミックリミットオブスタビリティを用いることとした.スタビリティのレベルは1(最も不安定なレベル)として,片側立位での測定が今回の実験には適していることがわかった.ACL不全膝と診断され,受傷後3ヵ月以上経過した慢性例で男性1例,コントロール群として下肢に外傷の既往がない健康男性2例が本年度測定できた.FDGを37MBq静注後,下り勾配をつけたトレッドミルでランニングを20分間おこなった直後に,PET(SET-2400W-S)を用い下半身を3次元収集モードで撮像した.東北大学大型計算機センターのSuper Computer (SX3/44R)を用いて画像処理をおこなった.パーソナルコンピューター上でその画像を用い,関心領域以下ROIを両大腿前面,大腿後面,下腿後面にmanualでそれぞれ設定した.FDGの筋肉内への取り込みはStandardized Uptake Value以下SUVを用いて半定量的に評価した.その結果downhill runningではACL不全膝,健常人とも大腿四頭筋・下腿三頭筋の取込みが多いことがわかった.ACL不全膝1例であるため比較はできないが,ACL不全膝の患側は大腿四頭筋の取込み量が多かった.それに対し,Hamstringsは比較的少なかった.ACL不全によって生じた前方引き出しを制御する代償機能の主たるものはHamstringsとする多くのバイオメカニクスによる知見とは違っている可能性があることが考えられる.
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