2004 Fiscal Year Annual Research Report
前十字靭帯不全膝の前方引き出しに対する制御機構の解明-PETによる評価を用いて-
Project/Area Number |
15700403
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大沼 正宏 東北大学, 病院, 助手 (90344663)
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Keywords | 前十字靭帯損傷 / PET / 筋活動 |
Research Abstract |
前年に引き続き例数を増やした.スタビリティシステムBDX-STを用いた動的な姿勢制御能力の評価を行い,ポジトロンエミッショントモグラフィー(PET)を行った例は,コントロール群として下肢に外傷の既往がない健康男性3例であった.前十字靱帯不全膝と診断され,受傷後3ヵ月以上経過した慢性例は今年測定できたものはなかった.18F-デオキシブドウ糖(FDG)を37MBq静注後,下り勾配をつけたトレッドミルでランニングを20分間おこなった直後に,PET(SET-2400W-S)を用い下半身を3次元収集モードで撮像した.東北大学大型計算機センターのSuper Computer(SX3/44R)を用いて画像処理をおこなった.パーソナルコンピューター上でその画像を用い,関心領域以下ROIを両大腿前面,大腿後面,下腿後面にmanualでそれぞれ設定した.FDGの筋肉内への取り込みはStandardized Uptake Value以下SUVを用いて半定量的に評価した.その結果昨年と同様downhill runningでは前年と同様に大腿四頭筋・下腿三頭筋の取込みが多いことがわかった.昨年行ったACL不全膝の患側は大腿四頭筋の取込み量が多く,Hamstringsは比較的少なかった.本年はACL不全膝ができなかったため比較はできないが,下り坂のランニングではACL不全膝とコントロール群間に差が生じる可能性があった.CL不全によって生じた前方引き出しを制御する代償機能の主たるものはHamstringsとする多くのバイオメカニクスによる知見とは違っている可能性があることが考えられる. コントロール群としては5例となった.血清生化学的データや心拍数も個人間でほぼ安定しており,対照としての平均は取ることができた.
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