2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における単一運動種目の長期実践が総合的な体力および健康に及ぼす効果
Project/Area Number |
15700439
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
重松 良祐 三重大学, 教育学部, 助教授 (60323284)
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Keywords | 高齢者 / 運動 / 健康 / 運動継続 / 運動種目 / 体力 |
Research Abstract |
1.はじめに 運動実践によって体力や健康度が保持されることが多くの研究から明らかになっているが、複数の運動種目を長期にわたって実践した場合の効果については明らかになっていない。本研究では、複数の運動種目の実践が総合的な体力や健康への効果を明らかにすることを最終的な目標に位置づけ、そのうちの一段階として、「高齢期における単一の運動種目の長期的な実践が総合的な体力および健康に及ぼす効果」について検討する。今年度は登山(トレッキング)を取り上げ、長期間継続している者を対象として、総合的な体力水準と健康度を測定することとした。 2.研究実績 登山(登山のための練習を含む)を1年間以上継続している18名(登山群:平均年齢57.7±4.3歳)とコントロール群34名(同59.5±4.9歳)を対象とした。聞き取り調査の結果、登山群の運動実践状況は3.5±1.7回/月、3.9±1.8時間/回、継続年数は7.5±4.5年であった。全身持久性を示すVO2maxとVO2LTにおいて、登山群(31.9±3.5、21.0±2.8ml/kg/min)は一般群(25.5±4.0、16.4±3.1ml/kg/min)と有意に高かった。握力や垂直とび、立位体前屈、反復横とびの平均値は登山群において高かったものの、その差は有意ではなかった。また、収縮期血圧、拡張期血圧、総コレステロール、HDLコレステロール、ヘマトクリット、一秒量(肺機能)では顕著な差を認めなかった。一方、中性脂肪は登山群の方が有意ではないもののコントロール群よりも高かった。反応時間測定による認知機能を測定したところ、両群間に有意な差は認められなかった。健康度・体力水準を総合化した指標である活力年齢では登山群が53.9±5.7歳と、暦年齢よりも有意に低かった。一方、コントロール群では57.7±6.2歳と暦年齢との間に有意な差は認めなかった。これらの結果から、登山は健康・体力の全般に良好な効果をもたらすことが伺えた。
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