2003 Fiscal Year Annual Research Report
循環器系疾患の危険因子を抑制するレジスタンストレーニングの開発に関する研究
Project/Area Number |
15700441
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三浦 哉 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (10274193)
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Keywords | レジスタンストレーニング / 低強度 / 酸素動態 / 脈波伝播速度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,低強度のレジスタンストレーニングのプログテムを開発し,トレーニングの有効性を中高齢者の血管の機能変化から評価することである.そこで本年度は,ゴムチューブ,軽量ダンベルを用いたレジスタンス運動時の生体への負担度を近赤外分光装置による酸素動態の変化から評価し,成人女性を対象に低強度レジスタンストレーニングが動脈の構造および機能に及ぼす影響を検討した. その結果,以下の点が明らかになった. 1.軽量ダンベルおよびゴムチューブを用いたスクワット,ランジ,レッグプレス,アームカールなどの運動時の外側広筋および上腕二頭筋の酸素化ヘモグロビンの変化は45-95%であること,運動前後で収縮期および拡張期血圧の顕著な増加がみられないこと,心拍数が50-70%HRmaxであったことから,これらの運動は比較的低強度運動であることが示された. 2.成人女性を対象に10RMの30%の強度でアームカール,プルオーバー,ベンチプレス,レッグエクステンション,レッグプレス,スクワットからなるレジスタンス運動を週2回,3ヶ月間実施させたところ,大腿動脈のlumenの増大,動脈壁厚の減少,および動脈硬化指数である脈波伝播速度の減少が認められた. 以上のことから,低強度のレジスタンストレーニングは,動脈の構造および機能に対して循環器機能の低下を抑制する可能性が示された.今年度の結果をもとに,次年度は高齢者を対象にゴムチューブおよび軽量ダンベルを用いた低強度のレジスタンストレーニングが,循環器系疾患の危険因子に及ぼす影響について検討する予定である.
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