2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境調整行動のモニタリングによる居住者の環境配慮意識形成に関する研究
Project/Area Number |
15700456
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (60300513)
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Keywords | モニタリング / 住環境教育 / ワークショップ / 窓 / 住まい方 / 空気環境 / 熱環境 / 実測 |
Research Abstract |
一時的ではなく日常的に習慣として続けられるような学習効果を与えることを目的として、居住空間で室内空気質のモニタリングを導入したワークショップの方法を提案し、仙台市内の2戸で実施した。 まず二酸化炭素濃度と温湿度をモニタリングする環境要素とし、事前アンケートに基づいて実測方法を検討した。2003年9月〜2004年1月の実測結果から次の知見が得られた。 1.窓開け時間は、全体の1割以下で、開けられる場合の開巾は半開以上であった。 2.居間など生活の中心になる部屋の窓開けは秋から冬にかけて次第に減少した。 3.日最高外気温と降水量が1日の窓開け時間に影響した。 4.二酸化炭素濃度が1000ppmを越える頻度は秋から冬にかけて高くなり、50%を超えることもあることから、冬季における適切な換気の必要性が指摘された。 提案したワークショップは、室内空気質についての基礎学習と日常生活におけるモニタリングで構成されているが、基礎学習は2003年12月22日および24日にそれぞれの住戸で行い、その後2週間をモニタリング期間とした。 一方の住宅では、ワークショップを実施した12月以降、一部の部屋において積極的に窓開けが行われるようになり、それに伴って二酸化炭素濃度が1000ppmを越す割合が少なくなった。この計測結果のほかヒアリング調査からも、ワークショップ実施により窓開けや室内空気質への関心の高まりが裏付けられた。ただしもう一方の住宅ではワークショップによる学習効果は表れなかった。それは、家族に幼児がおり、あまり積極的にモニタリングすることができなかったためと考えられる。 次年度は、より学習効果の高いワークショップを実施するために、継続的なデータの提示によってその変化から居住者の意識付けをする方法などを検討する予定である。
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Research Products
(1 results)