2003 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本のファッションにおけるナショリティと身体表現の記号学的研究
Project/Area Number |
15700463
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Research Institution | Kobe University of Commerce |
Principal Investigator |
小野原 教子 神戸商科大学, 商経学部, 講師 (30336820)
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Keywords | 女子プロレス / ポルノグラフィ / ヴィジュアル・パフォーマンス / スポーツ / 身体 / 衣服 / アメリカ / 日本 |
Research Abstract |
日本の女子プロレスの現状を、特にショーとしてのありようから眺め「着ること」「脱ぐこと」をキーワードに分析を行った。これまで「男子プロレス」を暗黙のうちに意味した「プロレス」という言葉の獲得までの過程を日本の女子プロレス史を遡る形で考察する。また女子レスラーがポルノグラフィックな対象としていまだ存在している状況から,現在の日本の女子プロレスにある神話について探り、また低迷期にあるといわれる日本の女子プロレスの現状を戦略的に考察する試みでもある。 まずアメリカの女子レスラーの位置づけを試合映像や雑誌資料などから確認しておく。ここでオリジナルであるアメリカの女子プロレスと日本の女子プロレスが大きく異なり別の道を進んでいるといってよい現状を知ることができる。日本はスポーツの要素、格闘技としての要素を備えもつべく発展を遂げたからだ。 分析には日本人レスラーを具体的にとりあげその衣装パタンからそのヴィジュアル・パフォーマンスの特徴を探るが、特に二人のレスラーについては詳細におこなった。この分析の結果から「アメリカ的」あるいは「本来的」女子プロレスの要素が日本にもいまだ戦略的に残存していることがわかる。そこで女子レスラーの「写真集」発売についてとりあげて考察を行うことにした。アイドルレスラーから筋肉美を謳うレスラーまで様々な写真集をとりあげ「身体」と「衣服」についてさらに論を進めることができた。これらの具体例を豊富に用いた分析が、「女子プロレス」という日本語の内包する概念の捉えなおしにつながった。
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Research Products
(1 results)