2003 Fiscal Year Annual Research Report
α-ジカルボニル構造切断活性を有する食品の開発と応用
Project/Area Number |
15700469
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
松浦 信康 富山県立大学, 工学部, 助手 (60281250)
|
Keywords | α-ジカルボニル構造 / 食品抽出液 / 植物抽出液 / タンパク質架橋切断活性 |
Research Abstract |
健康傷害物質の抑制および成人病予防薬の開発を目的として、α-ジカルボニル構造切断活性を有する食品および植物抽出液の探索を行った。α-ジカルボニル構造モデル化合物として1-pheny-1,2-propanedioneを用いて、リン酸緩衝液中各種植物、食品抽出液を添加、反応を行い、α-ジカルボニル構造切断によって得られる安息香酸を定量することにより、切断活性を評価した。約2,000種の植物および食品抽出液について評価を行った結果、柑橘類食品抽出液に目的とする活性が認められた。現在、活性本体を明らかにする目的で、各種クロマトグラフィーを用いて、活性成分の探索を行っている。現在のところ、活性成分は単一ではなく、複数成分から構成されていることを明らかにした。また反応機構について検討を行った結果、既存の薬剤であるPTBは、切断活性を発現する際、反応基質に薬剤が取り込まれる反応機構であり、治療薬として用いられた際、生体内に蓄積されることになる。しかし本研究において発見された素材は、反応基質に取り込まれることなく、α-ジカルボニル構造を切断することを明らかにした。すなわち本素材より得られる活性物質は、薬剤として用いた際、生体内に蓄積する可能性が低いことから、既存の薬剤において懸念される副作用を抑制することが可能となる。 また基質としてAGEs-BSAを用いて、タンパク質レベルにて架橋切断活性を確認した。その結果、タンパク質レベルにおいても、本素材はα-ジカルボニル構造切断活性に基づくタンパク質架橋切断活性を有することを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Mitsuhashi et al.: "Usage of tautomycetin, a novel inhibitor of protein phosphatase1 (PP1), reveals that PP1 is a positive regulator of Raf-1 in vivo"Journal of Biological Chemistry. 278. 82-88 (2003)
-
[Publications] Iliya et al.: "Six flavonostilbens from Gnetum africanum and Gnetum gnemon"Heterocycles. 60. 159-166 (2003)
-
[Publications] Iliya et al.: "Three new trimeric stilbenes from Gnetum gnemon"Chem.Pharm.Bull.. 51. 85-88 (2003)
-
[Publications] Iliya et al.: "Stilben derivatives from Gnetum gnemon Linn."Phytochemistry. 62. 601-606 (2003)
-
[Publications] Nakanishi et al.: "New luteolin 3'-O-acylated rhamnosides from leaves of Bursera graveolens"Heterocycles. 60. 2077-2083 (2003)
-
[Publications] Nakajima et al.: "The alkyl analogues of sparosomycin"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67. 2556-2566 (2003)