2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700474
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
安藤 真美 山口県立大学, 生活科学部, 講師 (50234183)
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Keywords | 氷温貯蔵 / イカ / 抗酸化能 / 物性 / 一般生菌数 / 組織観察 |
Research Abstract |
「氷温技術」を応用することでイカ類の食品的価値,特に栄養・機能性成分の向上を目指すことを目的として実験を行ったところ以下の結果が得られた。 1.物性においては、歪み率30%の時の結果より、9時間後から氷温貯蔵個体のほうが、冷蔵よりも若干弾力性が維持された。これは、氷温個体に寒冷硬直が起きたため、より強く筋肉が収縮し、反発力が強まったためと思われる。 2.一般生菌数については、氷温の生菌数が2日間を通して全く増加していないのに対し、冷蔵では死後48時間後から増加していた。つまり,氷温により細菌の増殖に関与する酵素の働きが弱まった,もしくは停止したため、細菌の増殖が有意に抑制されたと考えられる。 3.抗酸化能については、氷温、冷蔵とも貯蔵9時間までに抗酸化能が上昇し、その後大きな変化は見られなかった。 4.光学顕微鏡の観察によると、冷蔵の方は貯蔵12時間後から細胞のばらつきが目立ち始めていた。それに対し氷温では変化が認められなかった。この結果は物性の結果と一致しない。破断強度以外の物性の指標に影響が出ている可能性が示唆される。 以上の結果より、氷温貯蔵では細菌の増殖が強く抑制されており、今後冷凍することなく,長時間保存できる冷蔵に代わる貯蔵方法として期待される。
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