2003 Fiscal Year Annual Research Report
低タンパク栄養での経時的なカテプシン類の発現量の検討
Project/Area Number |
15700489
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
中園 栄里 中村学園大学, 栄養科学部・常勤助手 (10343732)
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Keywords | lysosome protease / cathepsin / low protein diet |
Research Abstract |
細胞内プロテアーゼであるカテプシン類は、外来物及び体内での不用物のタンパク質の分解、処理を直接的に作用しているとされている。いくつかのカテプシンについては、栄養実験でタンパク質のターンオーバーの目安として、酵素活性の測定がなされている。 本研究の目的は、低タンパク栄養食で長期間飼育したラットの筋の萎縮が著しいとの知見から、我々が発見したカテプシンYが筋タンパクの分解に関連しているかをmRNA量の変化の解析によって遺伝子レベルで明らかにすることである。 生後3週齢のラットを、AIN-93Gを基本としたコントロール群(20%カゼイン食)、低タンパク食群(5%カゼイン食)と分け、4週、8週、12週、16週間で各5匹飼育した。ラットの体重は、低タンパク食群はコントロール群より減少していた。肝臓、胸筋などの臓器重量も、コントロール群より減少していた。 ラット肝臓のcathepsin YのmRNAの発現量をRT-PCRを用いて検討し、PCR産物量が直線的に増加したcycle数で比較した。内部標準物質として、Glyceraldehydephosphate dehydrogenase (GADPH)を用いた。Total RNAを抽出後、cDNAを作成し、PCRを行った。PCR産物を5% polyacrylamide gelで電気泳動後、染色し、Luminescent Image Analyzer-3000用いてPCR産物量を定量的に測定した。 GADPH mRNA量で補正したcathepsin Y mRNA量は、コントロール群より低タンパク食群で有意に増加していた。cathepsin Y発現量は、4週間飼育で最も高く、次いで8週、12週間飼育の順であった。今後は、cathepsin L mRNA量を同様に測定し、cathepsin Y mRNA量と比較検討する予定である。
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