2004 Fiscal Year Annual Research Report
メタ認知開発に焦点を当てたコミュニケーション活動の改善に関する実証的研究
Project/Area Number |
15700493
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山下 修一 千葉大学, 教育学部, 助教授 (10272296)
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Keywords | メタ認知 / コミュニケーション活動 / 改善 / 発話分析 |
Research Abstract |
本研究では,公立中学校1年生1クラスを対象にして,大学生の試行で成果をあげたワークシートと役割分担を導入して,Jigsaw法での説明場面の改善が可能かどうか検討した.その結果,発話総数が51から229まで増えてやりとりが盛んになり,「質問」が急増した.しかし,大学生の試行で見られたような,「積極的な検討」や「気づき・改善」が中心となるようなコミュニケーションへの展開は見られなかった. そこで,Prof.Gunstoneの研究グループ(Monash univ. in Australia)とも検討を重ね,ワークシートの改善,役割と質問例を明記したカードの配布,理科係の生徒によるデモンストレーションを導入した「音」の授業を新たにデザインした.そして,公立中学校1年生64名の生徒を対象に,ワークシートと役割分担の導入前後で発話内容を分析し,事前・事後・遅延調査,感想・自己評価を検討したところ,以下の3点が明らかになった. 1)新たに授業をデザインした「音」の授業では,「確認」や「要約」といったより高次のコミュニケーションが展開されるようになった. 2)ワークシートと役割分担を導入したコミュニケーション活動で扱った「どうして雷の光と音はずれるのか」という課題については,遅延調査の得点が向上し,理解が定着した. 3)コミュニケーション活動自体については,困難を感じながらも充実感を得たり,理解が深まったと肯定的に受け止められていた.
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