2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700512
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
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Keywords | 協調学習 / インタラクション / 学習理論 / インタラクションモデル / オントロジー / CSCL |
Research Abstract |
他者とのインタラクションを通じた学習効果を期待する協調学習においては、領域知識の獲得のみならず、コミュニケーションスキル、主体的学習能力、論理的思考力、議論スキル等の育成など多岐に渡る効果が期待される。これらの学習効果を評価し適切なガイドを行うためには、学習者間のインタラクションを分析することが必要不可欠であるが、これは人間教師にとっても困難な課題である。この難しさは、(1)学習者間のインタラクション過程は複雑で抽象化が困難であり、適切な抽象度で明示的に表現する枠組みが存在しないこと、(2)望ましいインタラクションが一意に決まらず、モデル化が困難であることに起因する。 本研究の主たる目的は、協調学習過程の学習者間インタラクションの明示的なモデルの構築である。さらに、このモデルに基づくインタラクション分析支援ツールの開発、インタラクション支援システムの開発を行う。平成15年度は、(1)インタラクション過程の表現語彙の洗練、(2)学習効果が期待できる望ましいインタラクション過程のモデル化を重点的に行った。 自然言語で行われる学習者間の対話(インタラクション)は、複雑であり、情報の流れや学習行為を把握しにくい。そこで、インタラクション過程を抽象化するためめ語彙を用意した、これまでに収集した"対話の特徴を表現する語彙"を公開し、さらに洗練した。また、望ましいインタラクション過程のモデル化を行った。望ましいインタラクション過程とは、ある学習効果が期待できる相互作用過程を指す。例えば、ある知識を習得したばかりの学習者が他者にそれを説明する相互作用過程は、その学習者に知識の定着を期待できる望ましいインタラクション過程である。本研究では、望ましいインタラクション過程抽出の根拠として、学習理論を基盤とした。調査を通じていくつかの学習理論に基づいたインタラクションをモデル化した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Inaba, A., Ohkubo, R., Ikeda, M., Mizoguchi, R.: "Models and Vocabulary to Represent Learner-to-Learner Interaction Process in Collaborative Learning"Proceedings of the International Conference on Computers in Education (ICCE2003). 1088-1096 (2003)
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[Publications] Inaba, A., Ohkubo, R., Ikeda, M., Mizoguchi, R.: "Modeling Learner-To-Learner Interaction Process in Collaborative Learning-An Ontological Approach to Interaction Analysis"Supplementary Proceedings of the International Conference on Computer Support for Collaborative Learning (CSCL2003). 4-6 (2003)
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[Publications] 稲葉晶子, 大久保亮二, 池田満, 溝口理一郎: "協調学習におけるインタラクション分析支援システム"情報処理学会論文誌. vol.44,no.11. 2617-2627 (2003)