2004 Fiscal Year Annual Research Report
教室での観察学習を目的とした自然史博物館展示のバーチャルリアリティの試み
Project/Area Number |
15700532
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 学芸員 (70300960)
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Keywords | 博物館 / バーチャル展示物 / 展示物のデジタル記録 / 概念地図 |
Research Abstract |
本研究の目的は、展示物の観察を主眼とする学習支援のためのデジタルコンテンツの開発である。そのために、(1)教師が展示学習をすすめる上で必要なバックグランド情報を開発整備すること、ならびに(2)教室のプロジェクタに表現されるバーチャル展示物(観察学習対象物)を作製すること、を目指す。平成16年度の具体的な研究内容は次の通りである。 1.「アンモナイトの壁」展示を素材とした研究 a)展示物のバーチャルリアリティ化作業 前年度に引き続き、プロジェクタを用いた「アンモナイトの壁」表現法(バーチャルリアリティ)としてパノラマ写真(QTVR)による表現手法を試みた。平面的な展示物である「アンモナイトの壁」展示については、部分ごとに撮影した写真をモザイク的に写真合成し、一枚の大きな画像とすることが可能となった。画像の合成作業には複数の画像パノラマ合成ソフトを利用した。 試作したデジタル教材については、実際に教員向けの地学講座で使用するとともに研究会等で紹介を行い改善点などの検討を進めた。 b)野外露頭のデジタル化作業 「アンモナイトの壁」で行ったデジタル記録法を野外における露頭での応用を試みた。野外露頭は壁のように平面ではないため、「アンモナイトの壁」のように複数の画像を手軽に合成することは難しい作業となった。宮崎県新富町における工事により出現した露頭と神奈川県厚木市における自然露頭のデジタル記録を試みた。 c)学習コンテンツ作成手順のモデル化作業 学習コンテンツ(パッケージ)の作成手順モデルの確立に必要となるポイントを見極めるため、前年度試作した展示に関する"疑問・気づきマップ"(概念地図)をより実用的にするために情報視覚化や思考法に関する基礎資料を収集した。
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