2003 Fiscal Year Annual Research Report
氷河地形と氷河流動モデルに基づく日本列島の古気候復元
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15700543
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
青木 賢人 金沢大学, 文学部, 助教授 (30345649)
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Keywords | 氷河流動モデル / パタゴニア氷原 / ディファレンシャルGPS / 地理情報システム / 日本アルプス / 氷河地形 / データベース / GCP |
Research Abstract |
11月〜12月に掛けて,当初予定していた南米パタゴニア氷原に位置するエクスプロラドーレス氷河において,氷河流動モデルに組み込むための氷河の短期流動を,ディファレンシャルGPSを用いて計測した.この成果については2004年度日本地理学会春季学術大会において公表する予定である.また,モデルに必要な年間流動を計測するための測点を設置しており,2004年12月に再計測を行う予定である。また,気温データロガーも現地に設置し,年間の気温変化も把握できる予定である.さらに,モデルに不可欠な地形モデルを作製するために,空中写真測量に利用するGCPの計測も終了している.空中写真の撮影は,2004年度に行う予定である. 日本アルプスの氷河地形データベースの作成については,プロトモデルの作製を行い,2004年度以降,入力を行う予定である.さらに,このプロトモデルについては国際第四紀学会の企画出版物の一部(Sawagaki et al.,2004 in press)としてすでに印刷中である.さらに,モデル解析に必要な気象データについても,本研究費で取得したデータベースの解析を薦めており,地理情報システムを用いたデータベースに移植する作業を進めている. さらに,本研究の基礎となる日本アルプスの氷河地形に関する情報を,7月にアメリカ・ネバダ州で開催された国際第四紀学会において公表した.上記,企画出版物は,本国際学会の成果でもある. 一方,GISによるデータ処理技術の取得も,主として,東京大学空間情報科学研究センターにおいて進めつつあり,その過程の成果についても一連の共同研究として公開した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Siakeu, J., Oguchi.T, Aoki.T, Esaki, Y., Jarvie P.H.: "Change in riverine suspended sediment concentration in central Japan in response to late twentieth century human activities"Catena. 55. 231-254 (2004)
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[Publications] 藤原佳香, 辻村千尋, 青木賢人, 小泉武栄: "河畔に発達するアカマツ林の分布とその規程要因"学芸地理. 58. 23-35 (2003)
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[Publications] Oguchi, T., Aoki, T., Matsuta, N.: "Identification of an active fault in the Japanese Alps from DEM-based hill shading"Computers & Geosciences. 29. 885-891 (2003)
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[Publications] Aoki, T., Hasegawa, H.: "Late Quaternary glaciations in the Japanese Alps : controlled by sea level changes, monsoon oscillations and topography"Zeitschrift fur Geomorphologie, Supplement Volumes,"Glaciation and Periglaciation in Asian High Mountains". 130. 195-215 (2003)
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[Publications] Aoki, T.: "Characteristics of the Glaciers in the Japanese Alps"The XVI INQUA Congress, Abstruct. 54150 (2003)