2004 Fiscal Year Annual Research Report
ノア衛星を利用したロシア極東地域の長期森林火災解析
Project/Area Number |
15710003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河野 公一 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助手 (70359553)
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Keywords | ノア / 森林火災 / ロシア極東地域 / 火災煙 |
Research Abstract |
本研究では,ロシア極東地域で毎年発生している森林火災に着目し,ノア衛星を利用して10年程度の長期にわたる森林火災の発生状況(日時,場所,焼失面積)を時系列的に解析することを目的としている. 本年度は,昨年度までのノアデータの解析結果から森林火災の焼失面積を算出するため,検出したホットスポット(森林火災によって高温になっている地点)を,雛形となる地図上に高精度に重ね合わせる方法を開発した.そしてこの方法を基に,ロシア極東地域で起きた森林火災の焼失面積を一ヶ月単位で求め,降水量のデータとの比較を行った.その結果,森林火災の発生件数と夏期の降水量との間に相関関係が見られた.特に近年,最も火災が多かった年である1998年は,夏期の降水量が過去十数年間で最も少なかった.このことからロシア極東地域の森林火災の発生は同地域の夏期の降水量と密接に関係していることが分かった. 衛星画像を用いた森林火災検出の問題点の一つは,発生する大量の煙によってホットスポットが覆われ,火災の検出を行うことができない事例が比較的多く存在するということである.もし,ホットスポットだけではなく森林火災によって発生する煙そのものを検出することができれば,ホットスポットが発見できない場合でも森林火災の発生場所を知る手がかりを得ることができる.そこで本年度は,森林火災によって発生する煙の検出方法を開発し,その研究成果を国際会議で1件発表した. また,ホットスポットの検出精度をさらに向上させるため,多次元ヒストグラム法を利用したホットスポットの検出方法の開発も行っている.今年度はこれに関連した多次元ヒストグラム法の改良および応用に関する研究を行い,2件の研究成果を国際会議で発表した.
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Research Products
(3 results)