2003 Fiscal Year Annual Research Report
DGPS装置を用いた地下水の三次元物理情報測定法の確立とその有効性
Project/Area Number |
15710011
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
宮岡 邦任 三重大学, 教育学部, 助教授 (70296234)
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Keywords | GPS・DGPS / 地下水面標高 / 地下水面等高線図 / 地盤標高の把握 |
Research Abstract |
本年度は,GPSおよびDGPSの測量精度の検証を行い,さらに得られたデータを補正した値を用い,地下水の物理特性を議論する上での有効性について検証した.測量は,同一地域において気象条件を変えて数回実施した.その結果,x,y座標についてはかなりの精度で再現性があることが認められたが,z方向については,気圧によって相当のばらつきが生じ,標高差が大きくなるとその誤差も大きくなることが認められた.現在のGPSでは気圧も表示されるが,その値は気圧計で測定した値と一致する場合は非常に少なく,何を基準に計測しているのかが不明である.例えば異なった観測日に同一地点において気圧計で同じ値を示していても,GPSの気圧表示は全く異なった値を示していることが珍しくない.このことは,何らかの条件が異なる可能性がある複数の観測日に得たデータを使用することは,解析上非常に困難であることを示唆している.従って現時点では,比較的気象条件の安定している日を狙い,短時間で限られた地域の測量を実施することにより,特に標高差の小さい地域を対象にした場合には,GPSによる標高の測量は相対値という次元で利用が可能であることが考えられた.実際にこのようにして測量した地盤標高に基づいて,高密度で掘削した井戸を対象に地下水面標高を算出する方法が有効であると判断された.その結果,作成した地下水面等高線図は,三角測量から作成したものと比較してはほぼ一致した事例とかなりのずれが生じた事例があった.このように,GPS測量によって求めた地下水標高は,その日の気象条件によって異なる可能性が十分に考えられ,GPS測量で求めた地下水面標高と三角測量で求めた地下水面標高が著和的であった場合でも,井戸における地下水面の標高差には平均0.5m程度の違いが生じている.次年度は更に様々な条件下における測量を行い,安定した精度が得られる方法を模索する.
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