2003 Fiscal Year Annual Research Report
合目的高分子物性を有するバイオポリエステルの微生物合成
Project/Area Number |
15710053
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柘植 丈治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70332260)
|
Keywords | ポリヒドロキシンアルカン酸 / 微生物合成 / 共重合体 / PHA重合酵素 / 融点 / 変異 |
Research Abstract |
近年、バイオポリエステルであるPHAの延伸技術が開発され、これまで機械的物性が不十分と思われていたポリマーでも高強度繊維やフィルムに加工できるようになった。しかし現在のところ、分子量が特に高いPHAしか延伸加工することができない。これは、PHAの融点と熱分解温度が近接しているため、延伸を行う際に熱分解を受け分子量の低下が引き起こされるからである。PHAの分子量に依存せずに延伸を行うためには、ポリマーの融点を若干低下させることが有効な方法と考えられる。そこで本研究では、PHAを共重合体化することで融点が若干低下した加工性の良いポリマーを微生物合成することを目標にした。 本年度は、共重合体PHAとしてP(3HB-co-3HHx)をターゲットとし、3HHx分率の異なるポリマーを効率良く生産する遺伝子組換え微生物の育種に取り組んだ。ポリエステル合成能に優れたRalstonia eutrophaという細菌に、P(3HB-co-3HHx)共重合体を合成するPHA重合酵素(PhaC_<AC>)遺伝子を導入し、大豆油を炭素源として培養を行うと、3.5mol%程度の3HHx分率でポリマーを蓄積した。ここで、PhaC_<AC>にアミノ酸置換が導入された変異体酵素をR.eutrophaに導入してポリマー生産を行うと、0〜5mol%の範囲で3HHx分率を変化させることが可能であった。これらのポリマーの融点を測定したところ、P(3HB)ホモポリマーより最大で20℃程度低下していた。今後は、このポリマーの延伸加工性の評価と他の共重合体PHAの微生物合成を行う。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Tsuge, T., Hisano, T., Taguchi, S., Doi, Y.: "Alteration of chain length substrate specificity of Aeromonas caviae R-enantiomerspecific enoyl-CoA hydratase through site-directed mutagenesis"Appl.Environ.Microbiol.. 69. 4830-4836 (2003)
-
[Publications] Tsuge, T., Saito, Y., Kikkawa, Y., Hiraishi, T., Doi, Y.: "Biosynthesis and compositional regulation of poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyhexanoate) in recombinant Ralstonia eutropha expressing mutated PHA synthase genes"Macromol.Biosci.. 4. 238-242 (2004)