2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15710067
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
清野 正子 摂南大学, 薬学部, 助手 (30239842)
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Keywords | 水銀浄化 / ファイトレメディエーション / ポリリン酸 / ポリリン酸キナーゼ遺伝子 / 水銀輸送遺伝子 / 有機水銀リアーゼ遺伝子 / トランスジェニックプラント |
Research Abstract |
わが国では、土壌汚染対策法が2003年2月に施行され、土壌浄化潜在市場は今後60兆円に達すると予測される。浄化対象物質の中でも水銀は化石燃料の消費、医療行為などの社会活動において、微量ながらも持続的に環境中に排出され続けている。現在、局所的で高濃度の水銀汚染だけでなく、長期微量汚染による人体への悪影響も危倶されており、安全かつ有効な水銀浄化法の開発は急務の課題である。本研究の目的は、有機・無機水銀を回収・蓄積する能力を付加させたトランスジェニック植物を作出し、新しいファイトレメディエーション技術を開発することである。遺伝子組換え植物の作出に際しては、(1)水銀輸送蛋白質MerTによる有機水銀の植物への吸収、(2)有機水銀リアーゼMerBによる有機水銀から無機水銀への代謝、(3)ポリリン酸キナーゼPPKにより生成されたポリリン酸と無機水銀とのキレートという三段階から構成され、結果的に水銀を毒性の低い形で植物内に蓄積させる。 本年度は、merT、merB、またはppk遺伝子を組換えたバイナリーベクターをAgrobacteriumにそれぞれ形質転換し、本菌をNicotiana tabacum cv.Samsun NN (タバコ)の葉へ感染させることにより、各遺伝子をタバコ染色体へ導入した。感染後の葉をカルスへ誘導し、地上部を発芽させ、得られたシュートを低濃度の無機水銀により選抜した。選抜によりmerT、merB、またはppk遺伝子組換えタバコがおよそ12株、16株、20株それぞれ得られた。今後、遺伝子組換え株の葉から抽出した染色体を鋳型にし、PCR法により各遺伝子の存在を確認すると共に、各遺伝子が転写翻訳されているかをウェスタンブロット法により確認する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masako Kiyono: "Removal of inorganic and organic mercurials by immobilized bacteria having mer-PPK fusion plasmids."Appl.Microbiol.Biotechnol.. 62. 274-278 (2003)
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[Publications] 清野正子: "水銀耐性遺伝子を利用した水銀のバイオレメディエーション"ファルマシア. 39・9. 841-845 (2003)