2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15710067
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
清野 正子 北里大学, 薬学部, 講師 (30239842)
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Keywords | 土壌汚染 / 水銀浄化 / ファイトレメディエーション / ポリリン酸 / ポリリン酸キナーゼ遺伝子 / 水銀浄化試験 |
Research Abstract |
わが国では水銀は化石燃料の消費、医療行為などにおいて、微量ながらも持続的に環境中に排出されている。一方、中国の貴酬省貴陽においては、水俣地区とほぼ同様の高濃度メチル水銀汚染が約30年間に渡り2000年まで続いた。現在、高濃度の水銀汚染のみならず長期微量汚染による人体への悪影響も危嗅されており、安全で有効な水銀浄化法の開発は急務である。また、土壌汚染対策法が2003年2月に施行され、今後、わが国における土壌浄化ビジネスの発展が期待されている。本研究の目的は、有機・無機水銀を回収・蓄積する能力を付加させたトランスジェニック植物を作出し、新しいファイトレメディエーション技術を開発することである。昨年度、科学研究費の交付を受けて以下の特長をもつ遺伝子組換え植物の作出した。(1)有機水銀から無機水銀へ代謝する働きをもつ有機水銀リアーゼMerBの構造遺伝子merB、(3)無機水銀とのキレート・無毒化をになうポリリン酸を生合成するポリリン酸キナーゼPPKの構造遺伝子ppkである。merB、またはppk遺伝子組換えタバコはおよそ16株、20株それぞれ得られた。今年度は、これらのクローンの葉から抽出した染色体を鋳型にし、PCR法によりmerB、またはppk遺伝子の存在を確認した。さらに、各遺伝子が転写翻訳されているかについてはウェスタンブロット法により確認することができた。これらのクローンをそれぞれ、ppk-96、merB18と命名し、水耕栽培による水銀浄化試験を行った結果、ヌントロール株に比べて水銀浄化活性が若干ではあるが高い傾向が得られた。今後、栽培条件の至適化等によってさらに浄化活性が上昇するものと期待される。
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