2004 Fiscal Year Annual Research Report
固-液界面に形成される新規液体ナノ構造、水素結合分子マクロクラスターの研究
Project/Area Number |
15710072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水上 雅史 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60333902)
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Keywords | 固-液界面 / 2成分液体 / 水素結合 / 新規分子組織体 / 分子マクロクラスター / 全反射ラマン散乱測定 |
Research Abstract |
全反射ラマン散乱測定による分子マクロクラスターの構造評価 我々は表面力測定、ATR-FTIR、吸着等温線測定により、アルコール(カルボン酸)-シクロヘキサンのような水素結合性液体と非極性液体の2成分液体中のシリカ表面にアルコール(カルボン酸)が水素結合により厚み数10nmにおよぶ規則構造を形成することを見いだしている(水素結合分子マクロクラスター)。さらに全反射ラマン分光法を用いることで、より固-液界面近傍(数10nm)の局所的な液体の構造とそのダイナミクスを選択的に評価することを目指す。昨年度までに入射角と散乱光測定角を独立に制御可能な全反射ラマン散乱測定システムの設計と構築を行っており、本年度はこのシステムを用いてエタノール-シクロヘキサン2成分液体中の半円筒ガラスプリズム表面に形成されるエタノールマクロクラスターの全反射ラマン散乱測定を行った。その結果、以前に測定したATR-FTIRスペクトルと同様にエタノール濃度0.1mol%において、ガラス表面でのエタノールクラスター形成を示す水素結合OH伸縮振動ピークの観測に成功した。この水素結合OH伸縮振動ピークはバルク中のエタノールの水素結合OH伸縮振動ピークより低波数シフトしており(結晶状態のピークに近い)、バルク中より強固な水素結合を形成していると考えられる。エタノール濃度を0.3,1.0,2.0mol%と上げていくと、このピークは徐々に高波数シフトし、バルク中のピーク波数に近づいた。これは濃度上昇に伴うエタノール分子の運動性の増加を示唆すると考えられ、従来我々の提案しているモデルと一致する。今後、他のアルコール、カルボン酸などの測定を行い、分子種による違いの検討、また金表面に調製した自己組織化膜表面を用いた表面増強ラマンへの展開をはかる。
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Research Products
(4 results)