2003 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン初期酸化表面の非接触原子間力顕微鏡による酸素とシリコンの原子分解能識別
Project/Area Number |
15710077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西 竜治 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40243183)
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Keywords | 非接触原子間力顕微鏡 / NC-AFM / AFM / Si(111) / 初期酸化 / 酸素 / 吸着 / シリコン |
Research Abstract |
近年、ゲート酸化膜として極薄のシリコン酸化膜が用いられるようになり、原子レベルでの酸化機構解明が重要視されるようになってきている。電気的特性や平坦性などの特性を向上させるために、初期酸化過程機構の解明の重要性が高まっている。 これまで、走査トンネル顕微鏡や光電子分光法などの手法を用いて、シリコン(111)表面の初期酸化モデルについていくつかの提案がなされてきた。しかし、酸素吸着したシリコン表面は非常に複雑で、暴露量や暴露後の時間、温度、観察時のバイアス電圧などにより、様々に変化する。 この研究では、非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)を用いて、シリコン表面上に吸着した酸素を観察し、シリコン原子との識別を行った。測定条件は、Si(111)7×7再構成表面に室温で酸素を0.05L〜0.1L暴露し、室温にてNC-AFM観察した。これにより酸素の初期吸着構造について以下のような知見を得た。 (1)NC-AFMでは酸素が吸着したサイトはシリコンアダトムより明るい輝点として観測される。 (2)吸着したサイトには大きく3種類の違いが見られた。それらは、(a)高さ0.5Å程度の安定な輝点、(b)高さ2Å程度の安定な輝点、(c)高さ2Å程度の不安定な輝点である。 (3)これまでの研究で提案されている構造と比較するとシリコン内部に酸素原子が潜り込んだ構造が(a)や(b)で、シリコン上に酸素分子がついた構造が(b)と(c)と考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ryuji Nishi et al.: "Atom selective imaging by NC-AFM : Case of oxygen adsorbed on a Si(111)7×7 surface"Applied Surface Science. 210・1-2. 90-92 (2003)
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[Publications] Seizo Morita et al.: "Atom Selective Imaging and Mechanical Atom Manipulation base on Noncontact Atomic Force Microscope Method"e-Journal of Surface Science and Nanotechnology. 1. 158-170 (2003)
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[Publications] Seizo Morita et al.: "Atom selective imaging and mechanical atom manipulation using noncontact atomic force microscope"Journal of Electron Microscopy. 52・2(発表予定). (2004)