2003 Fiscal Year Annual Research Report
液体窒素冷却非平衡プラズマ中での振動励起分子反応によるカーボンナノチューブの合成
Project/Area Number |
15710083
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 伸介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80345389)
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Keywords | カーボンナノチューブ / プラズマCVD / COプラズマ / 非平衡プラズマ / 振動励起 |
Research Abstract |
液体窒素で冷却された放電管中のグロー放電によって振動励起されたCO分子を用いることで、これまでに報告されている低温合成プロセスよりも、著しく低温化が可能なCNT合成プロセスの開発を目的としているが、本年度はその前段階としてプラズマ生成条件は一定のまま、触媒微粒子金属の調整方法を中心に検討を行った。まず、プラズマの放電条件・基板(Si)温度は一定に保ちながら(CO : Arガス組成1:1、放電圧力3Torr、電極間距離10mm、基板温度600℃)、触媒金属組成、触媒微粒子調整方法の検討を行った。触媒微粒子の調整方法としてはスパッタリング法とアルコール溶液を用いたディップコーティング法の比較を行った。スパッタリング法ではNi、Fe、Ni/Fe合金のスパッタリングにより基板上に金属触媒微粒子を生成し、COプラズマによるCNT合成を行った。その結果、Niをスパッタリングした場合にCNT合成が確認できたが、CNTチューブ径が太く、また基板の一部にしか合成することができなかった。アルコールディップ法ではNi、Co、Moのエタノール溶液(濃度0.25,0.01,0.001wt%)、およびそれらの混合溶液を基板上にアルコールディップしCNTの合成を行った。その結果、Ni/Co混合溶液の場合が最も効率よくCNTを合成することができた。また、溶液濃度としてはNi, Coが供に0.001wt%の時に基板上全面にCNTを合成することができた。次に、触媒微粒子金属の調整方法を固定し(Ni, Coが供に0.001wt%のエタノール溶液によるディップコーティング)、異なる基板温度に対してCNTの合成を行った。その結果、500℃までは基板温度を低温化してもCNTの合成が確認できた。次年度は、放電管を液体窒素で冷却するなど最適な非平衡プラズマの生成方法を検討し、更なる低温化の可能性を探る方針である。
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