2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15710084
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡嶋 孝治 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70280998)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 液中バイオイメージング / 周波数変調型AFM / 1分子計測 / フォーススペクトロスコピー |
Research Abstract |
原子間力顕微鏡(AFM)の高い時間空間分解能を最大限に活用し、生体一分子に働く張力の粘弾性挙動を計測する手法の開発が本研究の目的である。一分子の延伸測定を精密に行うためには、測定の対象となる分子を可視化して、分子を延伸することが必要である。しかし、通常の液中イメージング法では、試料に加える力が大きいため、イメージングと延伸測定とを同時に行うことが難しい。昨年、本研究代表者は、試料に加える力を小さくしてイメージングすることができる自励発振型の液中周波数変調AFM法の開発に成功した。そこで、平成15年度から一分子延伸測定に使用することになった新しいAFM装置をベースに、この自励発振型AFM装置の開発とその性能評価を行った。その結果、周波数変調によるイメージングが可能であることが確認された。表面に弱く吸着したアルブミンを液中イメージングした結果、従来の標準的なイメージング法と比べて、分子の高さが大きく見積もられ、本研究で用いる装置に対しても自励発振型AFM法が有効であることが示された。また、DNA分子を液中で安定にイメージングできることがわかり、本研究で開発したイメージング法を、DNAの延伸によるBS転移の計測に適用できることが示唆された。これらの研究結果は、現在投稿中である。来年度は、本年度の研究成果をもとに、イメージング法と延伸測定法とを組み合わせて、分子の延伸前後の構造を観察することにより、高精度の一分子粘弾性測定を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Okajima, H.Arakawa, M.T.Alam, H.Sekiguchi, A.Ikai: "Dynamics of a partially stretched protein molecule studied using an atomic force microscope"Biophysical Chemistry. 107. 51-61 (2004)
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[Publications] A.Ikai, R.Afrin, H.Sekiguchi, T.Okajima, M.T.Alam, S.Nishida: "Nano-mechanical methods in biochemistry using atomic force microscopy"Current Protein & Peptide Science. 4/3. 181-193 (2003)
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[Publications] T.Okajima, H.Tokumoto: "Dynamic-mode AFM in liquids with self-oscillation technique"Biophysical Journal. 86. 478a-478a (2004)
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[Publications] T.Okajima, H.Tokumoto: "Dynamic mode AFM in liquids for biological samples"The 11th International Colloqium on Scanning Probe Microscopy. 96-96 (2003)
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[Publications] T.Okajima, H.Tokumoto: "Design and operation of frequency modulation AFM in liquids"The 6th International Conference on Noncontact Atomic Force Microscopy. 86-86 (2003)