2003 Fiscal Year Annual Research Report
アントラセンを集積化したデンドリマー分子の開発及びその分子特性に関する研究
Project/Area Number |
15710086
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高橋 雅樹 静岡大学, 工学部, 助手 (30313935)
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Keywords | アントラセン / デンドリマー / アントラセンデンドリマー / 光エネルギーカスケード / 分子内エネルギー移動 / ペリレン / 電荷移動錯体 / 2,4,7-トリニトロフルオレノン |
Research Abstract |
本年度は,(i)分子末端に種々の官能基を有するデンドリマー分子の合成とその物性評価、(ii)分子中心にペリレンを置換した光エネルギーカスケード型デンドリマー分子の合成とその分光学的評価,(iii)合成したデンドリマー分子と電子欠乏性分子との間における電荷移動錯体の形成過程の解明、を中心に研究を展開し、以下の成果を得た。 (i)デンドリマー分子末端に種々のアルキル置換基を有する一連のアントラセンデンドリマー分子誘導体の合成を達成した。従来の未置換型デンドリマー分子はあらゆる溶媒に対し双溶性が乏しいのに対し、合成した修飾型デンドリマー分子は、種々の有機溶媒に対する溶解性が著しく向上した。これにより、デンドリマー分子末端の化学修飾が、分子の溶解性を大幅に改善する上において有効であることを示した。 (ii)デンドリマー分子骨格の中心にペリレンを導入したアントラサンデンドリマーの合成を達成した。このデンドリマー分子の分光分析により、分子外殻に位置すろ複数のアントラセンに吸収された光エネルギーが分子内エネルギー移動を伴うことにより、効率良く分子中心のペリレンへと集まることを見出した。 (iii)合成したアントラセンデンドリマー分子が、2,4,7-トリニトロフルオレノン(TNF)を始めとする種々の電子欠乏性分子との間で電荷移動錯体を形成することを見出した。錯形成過程の分光分析によると、デンドリマー分子とTNFは1:1の分子比で電荷移動錯体を形成することが明らかとなった。また、通常のアントラセン分子と比較し、デイドリマー分子は飛躍的に大きな錯形成定数にて電荷移動錯体を形成すること見出した。
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Research Products
(1 results)