2003 Fiscal Year Annual Research Report
走査機構一体型圧電薄膜振動子プローブを利用したプローブセンサシステム
Project/Area Number |
15710106
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神田 岳文 岡山大学, 工学部, 講師 (30346449)
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Keywords | プローブセンサ / エッジモード振動子 / 水熱合成法 / 圧電薄膜 / マイクロセンサ / プローブ顕微鏡 / 変位機構 |
Research Abstract |
本研究は、1.マイクロ3次元走査機構の開発、2.プローブセンサの開発、3.水熱合成法による圧電薄膜成膜プロセスの改良、4.センサシステムの開発の4点からなる。研究計画においては、本年度は、2.を中心に行う予定であったが、3.に時間がかかることが予想されたこと、また1.2.に共通する基礎的な技術であることから、3.の研究を進めるとともに、あわせて1.2.の研究を行った。 3.成膜プロセスの改良については、出発物質の変更によるプロセスの簡略化を図った。従来チタンイオンの供給にはあらかじめ調整した四塩化チタン溶液を用いていたが、この物質は水に難溶性、常温での保存が困難など扱いにくい性質を持つ。これを酸化チタン粉末に変更し、他の物質との混合の際に溶かすこととしてプロセスの簡略化を図った。この方法で製作した振動子を用いて、センサ(正圧電効果)、アクチュエータ(逆圧電効果)として利用できることを確認した。また、圧電定数d31は-15pC/Nであった。 1.走査機構の開発については、有限要素法による圧電構造要素連成解析を行い、機構の検討を行った。弾性ヒンジと平行ばねによる構造を圧電薄膜によって駆動する構造とした結果、最大50マイクロメートルの変位が得られることが分かった。 2.センサの開発については、新しい方式であるエッジモード振動子センサについて、有限要素法によるモーダル解析を用いた原理確認、および振動子の設計を行った。長さ4mm、幅1mm、厚さ0.1mmの振動子において、1.57MHzでエッジモードが生じ、プローブ先端のみで振動変形が生じることが確認できた。 現在1.2.については試作を行っており、来年度についてはこの評価を行う。また、3.については、引き続きプロセスの検討・評価を行う。最終年度は当初計画通り4.センサシステムの開発を行う予定である。
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Research Products
(1 results)