2005 Fiscal Year Annual Research Report
走査機構一体型圧電薄膜振動子プローブを利用したプローブセンサシステム
Project/Area Number |
15710106
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
神田 岳文 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 講師 (30346449)
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Keywords | プローブ顕微鏡 / 走査機構 / 圧電薄膜 / PZT / プローブセンサ / エッジモード / 水熱合成法 / 有限要素法 |
Research Abstract |
昨年度までの研究に引き続き、走査機構およびエッジモードプローブセンサの試作・評価を進めた。 走査機構については、昨年度の2自由度機構の試作・評価結果をもとに、機構設計と作成プロセスの見直しを行い、数μm以上の走査範囲をもつ、3自由度機構の設計を行った。35×35×0.5mmの大きさで、弾性ヒンジを用いることによりz軸方向(板状の構造の面外方向)に±2μmの変位可能で、他の2軸も干渉が小さい一体となった構造を実現した。z軸の機構について電圧印加時の変位測定評価を行ったところ、±15V印加時に変位は±40nmとなった。機構的には有効性が認められたが、変位の大きさが十分ではない。今回、十分な改良を行わなかった、圧電材料(薄膜)特性の改良について特に検討が必要である。 エッジモードプローブセンサについては、昨年度に引き続き、共振周波数500kHzの振動子の試作・評価を行った。昨年度はバルク圧電体の貼り付けによる振動子であったが、今年度は、成膜した圧電薄膜によるエッジモード励振、振動検出を行うことが可能となった。この振動子において、励振用電極に5V印加した際に数nmの振幅が得られた。 走査機構との一体するためには、エッジモードプローブセンサの高周波化が必要である。しかし、本年度あらたに設計した共振周波数900kHzの振動子では、振動振幅が小さく、現状の材料特性では十分な出力信号が得られなかった。試料が大きい場合の圧電薄膜性膜条件について、条件を検討するものがあると考えられる。
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