2003 Fiscal Year Annual Research Report
疏水表面処理を施した循環型マイクロチャネルの作製とその応用
Project/Area Number |
15710108
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
菊谷 善国 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 光科学重点研究室・マイクロ化学グループ, 研究員 (70359115)
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Keywords | マイクロチャネル / 表面処理技術 / 油水界面 |
Research Abstract |
本年度研究実施計画では、先ずマイクロチャネル内に部分的疏水表面処理を施す基礎技術の確立を行い、その性能評価を行なう。次いでその技術を利用して閉鎖循環型疎水マイクロチャネル部分と、それに接して流れる親水性マイクロチャネル部分からなる構造を構築し、閉鎖循環部に満たした油相を、親水性チャネル部分に水相を流した時に油水界面にかかる力によってまわしてやる事を達成目標としていた。 部分的表面処理パターニング方法として、油水二相層流を利用した方法を計画していたが、ある程度のパターニングは可能であるものの、安定した結果・性能を得られなかった。パターン後、循環部に油相を満たし、それに接する親水チャネルに送液してやると、水相にかかる圧力に循環部分の疎水力が耐え切れず、循環部に水相が浸入してしまった。 そこで、2段階のフォトリソグラフィーを行なうことによって、深浅2種類の部分を持つマイクロチャネル構造を構築し、キャピラリー力を利用して浅いチャネル部分のみに疎水性表面処理試薬を導入することを行なった。この方法により、確実に親水・疎水部分の塗りわけを行なうことが可能となった。水相に圧力送液を行なっても、疎水性循環部へ水が流れ込むことなく、安定した送液を行う事が可能となった。 油相の中の流れをモニタするのに適切な方法がなかったため、疎水表面処理した微小ガラスビーズを油相に分散してその動きを見たが、循環部の油相を油水界面にかかる力でまわすことができたという確証を得ることができなかった。これは、比重の重いガラスビーズを用いた流れの可視化方法が良くないためか、もしくは、油水界面にかかる力が十分大きくないため、油相を循環させるに足りなかったことなのか、現在循環部の構造パラメータ等をふって検討している。
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