2004 Fiscal Year Annual Research Report
金融工学におけるシミュレーション技法の開発とその適用
Project/Area Number |
15710117
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
今井 潤一 岩手県立大学, 総合政策学部, 助教授 (10293078)
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Keywords | 準モンテカルロ法 / シミュレーション / Linear Transformation Method / 金融工学 / デリバティブ / 分散減少法 |
Research Abstract |
本年は,昨年度完成した論文"A general dimension reduction technique for derivative pricing"(現在査読待ち)で提案されたLinear Transformation Method(以下LT法)を用いてさらなる研究の発展を行った.まず,6月にフランスで行われたモンテカルロ法に関する国際学会MCQMC2004において,"A Quasi-Monte carlo Approach to the Optimal Asset Allocation"を発表,LT法の最適ポートフォリオの選択問題への効果的な適用が可能であることを示した.この研究については,既にworking paperが完成しており,現在投稿準備中である.また,7月にシカゴで行われたBACHELIER FINANCE SOCIETY, Third World Congressにおいて,"Evaluating the Switching Options by Simulation"を発表,シミュレーションを用いたスイッチングオプションの評価問題をモデル化し,その有効性と問題点を示した.これについては,未だ十分な成果が出ているとはいえず,指摘した問題点を以下に克服するかが今後の課題となる. 本年度より,LT法に関する理論的な研究も開始した.本年はまず,シミュレーションの効率性を評価する指標として各次元の分散貢献度(variance contribution)を定義し,それらを数値計算によって求める手法を用いて,これまで適用してきたデリバティブの評価問題に適用し,LT法がの有効性と問題点を明らかにした.その結果,さらにシミュレーションの効率性を高める可能性がある修正LT法(Enhanced LT)を提案し,working paper "The Enhanced LT method using Effective Dimension Distribution"としてまとめた.この研究は,最近この分野で提案された準モンテカルロ法に関する新しい成果と組み合わせることでさらなる発展が見込まれている.
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