2003 Fiscal Year Annual Research Report
港湾業務におけるコンテナの流入・流出管理と作業指示体系の構築に関する研究
Project/Area Number |
15710125
|
Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 塁 静岡理工科大学, 理工学部, 講師 (10329518)
|
Keywords | RF-ID / スプライン補間 |
Research Abstract |
本研究の目的は,無線データ転送により流入および流出のデータをリアルタイムで入手し,そのデータをもとに流動数曲線の解析と最適化アルゴリズムをもとに作業指示に対する意思決定を行い,ネットワークを通じて作業者に作業指示を行うという一連の作業を高速かつ正確に行うシステムを構築することである.そのためには,無線データ転送装置(以下RF-ID : Radio Frequency Identification)からデータ受信する(1)入力部,データを解析する(2)解析部,作業指示をする(3)出力部,入力部,解析部,出力部をむすぶ(4)ネットワーク部,の4点が研究の主要な部分となる.本年度は(1)の入力部における研究が主たる目的であり,記録媒体であるRF-IDを検討すること,およびデータを正確かつ高速に取得することであった.RF-IDは(1)非接触,(2)大容量という二つの大きな特徴を持つが,(2)の大容量という点においては1000byte程度の容量であり,港湾管理に必要なデータを全て記録することは困難であった.そこで,比較的大きな容量が必要となる連続数値データをRF-IDに記録するための圧縮方法として,スプライン補間を用いた方法を提案した.本圧縮方法は非可逆圧縮であるが,本研究で重要となる流動数曲線やトレーサビリティで必要となるプロセスデータを扱う上では,誤差が大きくなければ問題は生じない.8byteの実数型数値データが240点ある場合,1920byteの容量が必要となるが,提案した方法により26個程度の標本点を抽出し,これを記録することで208byte程度のデータ量となる.標本点をもとにスプライン補間を用いて復元されたデータの相対誤差は6%にとどまり,本研究で必要なデータとしては十分に使用可能なものであった.なお,本成果は日本経営工学会平成15年度秋季研究大会において,「RF-IDを用いたトレーサビリティに関する研究-圧入工程時におけるプロセスデータの保存-」と題し,口頭発表を行った.
|