2003 Fiscal Year Annual Research Report
文化ボランティアによる地域活性化について-主にミュージアム・ボランティアを中心として-
Project/Area Number |
15710127
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
木下 達文 京都橘女子大学, 文化政策学部, 講師 (60340460)
|
Keywords | 文化ボランティア / ミュージアム・ボランティア / 地域活性化 / 住民参加 / ボランタリー経済 / ミュージアムマネジメント |
Research Abstract |
本研究は、阪神淡路大震災以降、自治組織によるボランティア活動が文化活動の分野にも拡大され、地域社会を大きく動かす原動力としての文化ボランティアの現況とその構造を明らかにし、元気を失う地域とその長期的にみた経済活動を活性化するための1つの方法論を導き出すことを目的としている。その1年目となる平成15年度は、その対象となる国内の文化施設、とくにミュージアムを中心とした施設の選定と、約4,000館に及ぶ施設リストの抽出・デジタルデータベースの作成を行うとともに、それら全施設への第一次アンケート調査を実施した。アンケート集計を現在も行っている段階であるが、この一次調査の結果、以下のような新たな知見を得るに至っている。 少しずつ回復に向かっているとはいえ、長引く経済不況を反映してか、施設の閉館や休館に至る情報が沢山寄せられた。つまり、結果的にミュージアム等文化施設の置かれた社会的状況を色濃く反映することとなり、行政的あるいは民間機関として文化的環境を維持することの難しさが鮮明に浮かび上がった。一方、そうした中でボランティアを導入する施設が10年前と比較して飛躍的な伸び率を見せていることも調査結果から判明した。したがって、今後、少子高齢化社会への対応、指定管理者制度の実施等をふまえ、地域が今後輝いていく上でミュージアムの存在を市民が担うという、日本における新たな文化施設運営の課題を明らかにすることがこの研究では重要となることが確認された。
|