2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化促進作用を有した細胞性粘菌由来化合物dictyopyroneに関する研究
Project/Area Number |
15710153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 晴久 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90302166)
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Keywords | 細胞性粘菌 / 細胞分化 / 細胞増殖 / 天然物化学 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
1.Dictyopyrone類の基礎的な構造活性相関 以前報告した合成方法(J.Org.Chem.2000,65,985-989)を改良することで,様々なdictyopyrone誘導体の合成を行った.合成した化合物としては,α-pyrone環の3位に結合する直鎖状アシル基の炭素数をそれぞれ2,6,8,12,14へと変化させた化合物,アシル基に二重結合を導入した化合物(dictyopyrone A,B),アシル基をアダマンダンアセチル基に変化させた化合物,アシル基の末端にアミノ基を導入した化合物や,α-pyrone環上の6位のメチル基の立体配置を変化させた化合物,α-pyrone環の酸素原子を窒素原子へと変化させた化合物である.これらの誘導体を用いて細胞性粘菌に対する影響を検討し,その構造活性相関を明らかにした.すなわち,(a)生物活性の発現には直鎖状アシル基の炭素数が8個以上必要である,(b)アシル基中の二重結合の有無は生物活性に影響を与えない,(c)6位のメチル基の立体配置の変化は生物活性に影響を与えない,ということである. 2.細胞性粘菌におけるdictyopyrone類の作用メカニズムの解明 1.で合成したアシル基の末端にアミノ基を有した誘導体を用いて,蛍光発色団FITCを結合させた誘導体の合成を行った.また,ビオチンを結合させた誘導体の合成にも着手した. 3.哺乳類細胞への応用 合成した,dictyopyrone Cを用いて,ヒト白血病K562細胞に対する作用を検討した.その結果,30μM以上の濃度で細胞増殖を抑制することが明らかとなった.
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Research Products
(1 results)