2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗骨粗鬆症アルカロイド、ノルゾアンタミンの作用機序に関する研究
Project/Area Number |
15710156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福沢 世傑 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40321806)
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Keywords | ノルゾンアンタミン / スナギンチャク / 骨粗鬆症 / エストロゲン / エストロゲン受容体 |
Research Abstract |
ノルゾアンタミンの研究については今回、エストロゲン受容体の発現が確認されているヒト乳がん細胞MCF-7を用いた実験系を立ち上げ、ノルゾアンタミンの投与によりその増殖が促進されることを確認した。17βエストラジオールの場合についても同様である。またトリチウム標識した17βエストラジオールを用いた細胞抽出物に対する結合活性もノルゾアンタミンと17βエストラジオール双方に認められ、ノルゾアンタミンを10000当量ほどの量を投与すると競争阻害がかかることも見いだした。これにより分子レベルでのノルゾアンタミンのエストロゲンレセプターに対する結合活性が弱いながら確認することができた。しかしノルゾアンタミンと17βエストラジオールを培地に同時に加えて細胞培養すると増殖が抑制されることより、受容体と結合した後の二量化の時になにか特別な作用機序が存在する可能性があると考えられる。そこでエストロゲン受容体に着目し、そのリガンド結合部位の配列をPCRで増幅し、大腸菌に組み込んでリコンビナントタンパクとして発現させ、直接相互作用の観測を試みた。当初、タンパク発現はGST融合タンパクとして発現を試みたが、封入体を形成してしまい発現後の精製が困難を極めたのでHisタグに切り替えたところ発現は順調に進んだ。しかしながらトリチウム標識エストラジオールを用いた競争阻害実験ではノルゾアンタミンはエストロゲン受容体リガンド結合部位に結合しないことが明らかになった。
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