2003 Fiscal Year Annual Research Report
海洋産環状デプシペプチドに関する生物有機化学的研究
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15710166
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
末永 聖武 筑波大学, 化学系, 講師 (60273215)
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Keywords | タツナミガイ / オーリライド / 細胞毒性 / 抗腫瘍性 / デプシペプチド / 生物活性 / 6-エピオーリライド |
Research Abstract |
オーリライドは海洋動物タツナミガイ由来の環状デプシペプチドであり、腫瘍細胞に対して強力な細胞毒性を示す。しかしその標的生体分子は現在のところ不明であり、詳しい生物活性も調べられていない。そこで、オーリライドの生物有機化学的研究の一環としてオーリライドの抗腫瘍性発現の分子機構を解明することを目的として以下の研究を行った。まず、オーリライドの合成で収率が悪かった段階について改良を行った。脂肪酸部の合成において向山アルドール反応の原料にシリルケテンアセタールを用いたところ、収率が向上した。また、マクロラクタム化反応において縮合剤や反応溶媒について検討した結果収率が大幅に向上し、オーリライドの通算収率が12%まで向上した。これによってオーリライドをグラムスケールで供給する方法が確立できた。そこでオーリライドの合成品を用いて、様々な生物活性試験を実施した。その結果、オーリライドはタキソールとは異なる機構で微小管の重合を安定化することが判明した。また、プロテインキナーゼやP-糖タンパク質には作用しないことも分かった。現在、in vivo抗腫瘍活性試験などを検討している。また、6位の立体化学が異なる6-エピオーリライドについて細胞毒性試験を行ったところ、全く細胞毒性を示さなかった。分子中のたったひとつの立体化学の違いにより、活性が劇的に変化したことは興味深い知見であり、さらに構造活性相関について検討する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Toshiaki Teruya et al.: "Nakiterpiosin, a novel cytotoxic C-nor-D-homosteroid from the Okinawan sponge Terpios Hoshinota"Tetrahedron Lett.. 44(28). 5171-5173 (2003)
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[Publications] Hideo Kigoshi et al.: "Isolation of Tribromoacetamide from an Okinawan Alga and Biological Activities of Its Analogs"Chem.Lett.. 33(2). 98-99 (2004)
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[Publications] Kiyotake Suenaga et al.: "Inducing substance for abalone larval metamorphosis from the crustose coralline alga, Hydrolithon samoense"Fisheries Science. (印刷中). (2004)
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[Publications] Kiyotake Suenaga et al.: "Bioorganic Studies on Marine Natural Products with Bioactivity, such as Antitumor Activity and Feeding Attractance"Bull.Chem.Soc.Jpn.. (印刷中). (2004)
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[Publications] 末永聖武ら: "先端化学シリーズV 海洋天然物、錯体、コンビナトリアル、全合成"日本化学会編. 332 (2003)