2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15710180
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
飯岡 詩朗 信州大学, 人文学部, 講師 (90345728)
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Keywords | ハリウッド映画 / 受容 / 植民地化 / 表象 / アメリカ合衆国 / アフリカ系アメリカ人 / 冒険映画 / アフリカ |
Research Abstract |
3年度にわたる本研究プロジェクトの初年度にあたる本年度は、以下のように研究を実施した。 1)本研究を円滑に遂行させるための基盤整備として、必要な設備の導入および研究資料の収集・整理を行った。文書資料としては、映画理論、アフリカ系アメリカ人研究、アメリカ史、アフリカ史等の研究書籍を中心に収集・整理し、映像資料としては、1920年代末から1940年代にかけて公開されたアフリカを舞台とするトラヴェローグやハリウッドの冒険・探検映画を中心に収集・整理した。 2)国内での事前調査をもとに、アメリカ合衆国のニューヨーク(ニューヨーク公共図書館ションバーグ黒人文化研究センター)およびワシントンDC(議会図書館)において、1920年代末から1930年代にかけてのアフリカ系アメリカ人向けの新聞・雑誌における映画に関する記事を中心に研究資料の調査・収集・整理を行った。 3)本年度に行った調査・研究の成果を発表した。まず、日本映像学会、映像テクスト分析研究会において、「冒険/探検映画のイデオロギー的再編--『類猿人ターザン』(1932年)における<アフリカ>の表象」と題する研究発表を行った。そこでは、1930年代前半に公開されたハリウッドの冒険・探検映画におけるアフリカ人の表象とその受容を、当時新たに導入されたリアプロジェクションという特殊撮影技法との関係性の中で、理論的かつ歴史的に分析・考察した。次に、「『マーシャル・ロー』に見るエスニック・マイノリティの表象」と題する論文を発表した。そこでは、受容における観客の「植民地化(および脱植民地化)」の問題を、本研究の本来の射程からは外れる年代ではあるが、1990年代に公開されたハリウッド映画におけるアラブ系アメリカ人の表象との関係性の中で分析・考察した。 4)本年度の研究計画をもとに研究実績を検証し、次年度以降の研究計画策定に備えた。(789字)
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Research Products
(1 results)