2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15710180
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
飯岡 詩朗 信州大学, 人文学部, 講師 (90345728)
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Keywords | ハリウッド映画 / 受容 / 観客 / 植民地化 / アメリカ合衆国 / アフリカ系アメリカ人 / ドキュメンタリー映画 / 1930年代 |
Research Abstract |
3年度にわたる本研究プロジェクトの第2年度にあたる本年度は、以下のように研究を実施した。 1)前年度に収集した資料の整理・分析を進めるとともに、前年度中の収集で手薄であった領域の資料の追加収集・分析を行った。文書資料としては、とくに映画学(観客論・ドキュメンタリー映画研究)、アメリカ史の研究書籍の収集を強化し、映像資料としては、本研究の主要な対象となる1930年代末から1940年代を映画史のコンテクストにおいて捕らえなおすため、1950年代〜1960年代にかけて公開されたアフリカ系アメリカ人の登場するハリウッド映画の収集を強化した。 2)昨年度の研究および本年度の国内での事前調査をもとに、アメリカ合衆国のニューヨーク(ニューヨーク公共図書館ションバーグ黒人文化研究センター等)において、1930年代前半を中心に、1920年代末から1960年代にかけて、一般の新聞・雑誌よび映画雑誌、さらにアフリカ系アメリカ人向けの新聞・雑誌における映画に関する記事を中心に、資料の追加調査・収集・整理を行った。 3)映画史において、世界的に重要な転換点と考えられている1930年代前半を、アメリカ映画史だけでなく、各国の映画史のコンテクストで整理・分析を行った。その成果の一部として、『カメラを持った男』(ジガ・ヴェルトフ監督,1929年)を中心に、1920年代末から1930年代前半におけるソヴィエト映画の変貌と、同時期のアメリカ映画史の変貌について、市民向け講座(松本シネマセレクト上映会におけるレクチャー「2人のカメラを持った男」)で講義した。 4)本年度までの研究実績を整理・検証し、次年度内に発表予定の論文の執筆に取り掛かるとともに、次年度の研究計画策定に備えた。(729字)
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