2003 Fiscal Year Annual Research Report
エンゲージド・ブッディズム(社会参加仏教)の現状と歴史
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15720014
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
守屋 友江 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 助教授 (30340847)
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Keywords | エンゲージド・ブッディズム / 近代仏教史 / 大乗仏教 / 上座部仏教 / 日系仏教 / 今村恵猛 / 鈴木大拙 |
Research Abstract |
本年度は、基礎的な文献、資料を収集してエンゲージド・ブッデイズムの理論枠組みの構築に向けて予備的な研究を行った。上座部仏教徒によるすぐれた理論枠組みがすでに提唱されており、欧米の研究者もそれにそう形で議論を展開しているが、東アジアの大乗仏教徒によるものはまだ量的にも質的にも乏しい状況である。具体的な事例を近代仏教史上に求め、その系譜を跡づける作業を行った。 2003年10月に立命館大学・日系文化研究会において「ラ・サール時代の鈴木大拙」と題して、国際的に知られる仏教徒である鈴木の在米経験が与えた社会問題への関心について発表した。2003年11月にAmerican Academy of Religion学術大会において"A Historical Analysis of D.T.Suzuki's Articles for the Shin Bukkyo Magazine"と題して、鈴木と同時代に活躍した日系仏教徒の今村恵猛を比較対照として、アメリカにおける日系仏教の社会参加に関する考察を発表した。 2003年6月と2004年1月にそれぞれ、エンゲージド・ブッディズ本に関する数少ない先駆的研究を発表した研究者を講師として迎えて研究会を行った。明治学院大学教授・阿満利麿氏に、近代日本史における事例、中部大学助教授・野田真里氏に、タイにおける事例をそれぞれ報告していただき、出席した仏教関係者との意見交換をふまえて新たな知見を得た。
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