2003 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける悪道巡歴・救済イメージの展開と相互影響に関する研究
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15720020
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
鷹巣 純 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (00252205)
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Keywords | 仏教絵画 / 六道絵 / 水陸画 / 他界観 / 図像学 / 東アジア絵画 / 説話画 / 中世絵画 |
Research Abstract |
当初予定された3点の目標はそのいずれもがほぼ達成された。概略は以下のとおりである。 他界そのものを中心主題とした絵画における他界巡歴の様態を分析するための重要作品の調査については、期間中に極楽寺本六道絵、函南町法伝寺本六道十王図扁額の調査をおこない、16世紀の初期甘露幀についても全作品の調査を終了した。これらについて赤外線映像を撮影することが懸案であったが、東京国立文化財研究所・城野誠治氏の指導により、デジタルスチルカメラを用いた撮影法を取り入れることができ、削減された予算枠での実施が可能となった。このうち極楽寺本については今回の調査でいくつかの新知見が得られ、その成果は2月の「物語・説話絵画研究会」例会で報告をおこなった。また、函南町法伝寺本六道十王図扁額については初めての美術史学的見地からの作品調査となった。この調査により、近隣の寺院に法伝寺本と一具をなす九相図扁額が伝存することも新たに明らかとなった。 海外作品については、特に韓国朝鮮王国時代の仏画に関する資料を集中的に整備した。 これまでの研究で既に収集を終えた資料類を本研究に活用するにあたっての整理作業については、高精度のフィルムスキャナの導入により、今年度調査で収集した資料をデジタル化してゆく作業と並行して、これまでに蓄積された作品アナログ資料のデジタル化が進められた。ただし対象となる資料は相当の量に達しており、全量の処理にはなお人員・時間を要する。
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