2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポール・ケーラスの初期仏教文学解釈における臨済宗アメリカ伝道の影響
Project/Area Number |
15720078
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
長尾 佳代子 大阪体育大学, 体育学部, 助教授 (50342522)
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Keywords | Paul Carus / 鈴木大拙 / 釈宗演 / 芥川龍之介 / 蜘蛛の糸 |
Research Abstract |
2006年夏に、Southern Illinois University, Morris Libraryにおいて、Karma初版の掲載誌のバックナンバー、Open Court社が所蔵していた校正原稿、及び書簡類などの調査を行った。 原稿や編集者間で交わされた書簡などの調査から、第2版単行本での文章改訂の詳細やその後の単行本出版の際の挿絵や製本、販売方法、宣伝活動などについて行った著者の指示の具体的な様子が分かった。 鈴木大拙、長谷川武次郎、大原嘉吉、釈宗演らとPaul Carusが交わした大量の書簡の調査からは、東京帝国大学等の日本の教育機関や宗教界との活発な交流の詳細が判明した。 また、その他の書簡類等からは、Paul Carusの出版活動における思想的な背景について、フリーメイソンとしての活動やドイツ系アメリカ人社会での活躍、物理学や数学、音楽などの多岐にわたる分野での多彩な活動の様子など、多くの情報が得られた。 これらの調査結果の一部は「南イリノイ大学カーボンデイル校特別文庫注の日本資料」(『大阪体育大学紀要』vol.38,pp.61-70)として報告した。また、2007年6月3日に京都、花園大学において開かれる仏教文学会大会で「『蜘蛛の糸』原資料Karma出版の経緯---オープン・コート社寄贈南イリノイ大学モリス図書館所蔵資料について---」と題して研究発表を予定している。 収集したKarma各版の整理と分析は、これらの調査結果の分析と平行して現在も進めている。
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Research Products
(1 results)