2004 Fiscal Year Annual Research Report
変異理論を用いた方言接触と言語消滅の研究-旧南洋群島パラオ島の日本語
Project/Area Number |
15720097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 和子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80350239)
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Keywords | 社会言語学 / 変異理論 / 方言接触 / 言語消滅 / 日本語 / 言語接触 / パラオ / 太平洋 |
Research Abstract |
3ヵ年計画の2年目の研究として、本年度前半はこれまでの調査で得られた2つの話者タイプ(fluent speaker/semi-speaker)の比較研究を行い、引き続きパラオ共和国における日本語の消滅プロセスに考察を加えた。これらの研究成果は「6th International Conference on Oceanic Linguistics」において報告し、近刊予定の「Language, communities, networks and practices」および「The Republic of Palau : Language situation」と併せ、関係専門家によるフィードバックを参考にしつつ、さらに研究を深めている。 一方、本研究の精緻を高めるため、本年度後半は、パラオからの引揚者に調査対象を拡げ、同国における言語消滅の言語内的・外的要因の解明に向けた研究を展開した。具体的には、言語消滅のプロセスは言語習得のプロセスと回帰的な関係であるとするRegression Hypothesisを検証・応用するため、パラオからの引揚者(特に、北海道・東北出身者)の開拓集落である宮城県北原尾(北パラオ)にて、去る2月より現地調査を開始し、会話データの収集に着手しつつある。
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Research Products
(2 results)