2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者の読解プロセスを測定するシステムの開発研究
Project/Area Number |
15720118
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
高橋 亜紀子 宮城教育大学, 教育学部, 講師 (10333767)
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Keywords | 日本語教育 / 読解 / 読解プロセス / コンピュータ / 測定 |
Research Abstract |
現在、大学や大学院の正規生として学ぶ外国人留学生が増加している。留学生は学位を取るために、多くの日本語文献を読み、それらを理解し、論文にまとめなければならない。また、最近は、印刷物だけではなく、インターネットを利用して情報を収集する必要性も高まっている。 こうしたニーズに応えるため、日本語教師には「インターネットによる情報統合型の読解」を効果的に指導することが求められている。それには、教師が学習者の読解プロセスを記述し、その特徴を把握し、指導に反映させることが不可欠である。しかし、実際に読解プロセスを記述するには、従来の方法では時間がかかりすぎてしまい、大量にデータを集めることはできない。 そこで、本研究では、読解プロセスの測定を簡易化するために、「コンピュータを利用した読解プロセスの測定システム」の開発を、研究期間2年の予定で進めている。 初年度(本年度)は、システムのコンテンツとなる日本語の文章を新聞記事や書籍などを中心に収集した。また、学習者がこうした文章を読む際にどのような支援を必要とするのかについても検討し、その支援方法を具体化させた。その上でコンピュータ上に実現するための仕様を決定し、現在までに、日本語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語によるコンテンツを作成した。システム開発協力者とともに、これらのコンテンツを多言語のフォントも含め、ウェブ上に効果的に表示する方法や、読解プロセスを記録するためのログの取り方とその表示方法などについても検討し、簡易試作版を作成した。 来年度は、試作版をもとに学習者から実際にデータを測定し、学習者の読解プロセスの特徴をつかむとともに、システムが適切かどうかについても評価・検討を行う予定である。
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