2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15720119
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
許 夏玲 東京学芸大学, 留学生センター, 講師 (70334993)
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Keywords | ファイルサーバー / 話し言葉 / 文末表現 / 意味機能 / 対照研究 |
Research Abstract |
平成15年10月に東京学芸大学留学生センターにファイルサーバーを新規に設置し、日本語教育支援システム研究会が開発したCASTEL/J CD-ROMに載っている映画(『男はつらいよ』)の台詞をテキストシァイルに変換し、サーバーに載せた。このサーバー上に載っている話し言葉のデータのファイルは研究のため、学内者のみに閲覧や検索に提供し、学外者には非公開のものとなっている。今後、調査で収集した会話のデータもテキストファイルにし、サーバーに載せる予定である。 サーバーの設置作業と並行して、話し言葉に現れる「といえば(と/って言えば)」「といったら(と/って言ったら)」の意味機能の変化について考察した。その考察結果をまとめ、平成15年12月7日に香港で行われた第6回国際日本研究・日本語教育シンポジウムで発表し、その発表結果をシンポジウム論文集にまとめた。考察結果をまとめると、話し言葉に現れる「といえば(と/って言えば)」「といったら(と/って言ったら)」は大きく「仮定条件を表すもの」(「話し手のdesirabilityを表す」、「アドバイスを表す」、「話題を提示する」)と「話し手の強い主張を表すもの」という2つに分けられることがわかった。また、どうして仮定条件を表す「ば/たら」からアドバイスという用法が派生したのかについては、次のように考える。話し手は仮定条件を含む命題を考え、その仮定条件のみ取り上げて示し、相手がその条件の通りにすれば、相手にとって何か望ましい結果になることを暗示する。そこにアドバイスするという用法が派生したと考える。文末の「ってば/ったら」は「といえば/といったら」の形から変化し、相手を非難するときに使われることが多くみられる。今後、収集した会話のデータに基づき、日中対照研究の観点から他の文末表現(「だろう」「はずだ」「べきだ」など)の意味機能を考察したい。
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Research Products
(1 results)