2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15720186
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Research Institution | Kokugakuin Tochigi Junior College |
Principal Investigator |
小林 青樹 國學院大學栃木短期大学, 日本史学科, 助教授 (30284053)
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Keywords | 再葬墓 / 居住システム / 生業 / 掘立柱建物 / 竪穴住居 |
Research Abstract |
本年度は、まず群馬県注連引原II遺跡について、出土遺物の整理作業を本学において進め、土器・石器等の分析を行った。土器については、この作業に合わせて群馬県及び周辺地域における関連資料の文献収集を行い、遺物の観察等についても行った。なお、当初、群馬県注連引原II遺跡周辺にて、発掘調査を行う予定であったが、耕作地の使用期間との調整がつかず実施できなかった。そのかわりに、遺跡周辺での分布調査を行い、遺跡群の広がりについて検討を行った。 群馬県注連引原II遺跡に関する成果については、日本考古学協会総会研究発表会において、口頭発表を行った。この発表では、群馬県注連引原II遺跡の構造を詳細に分析し、まず遺跡を構成する個々の要素として、柱穴群が集中するゾーンと、柱穴群が希薄なゾーンに分け、遺跡群の全体像を復元した。さらに、柱穴群は掘立柱建物の柱穴群である可能性を指摘し、竪穴住居を主体とする居住システムではない集落像であるとした。 また、群馬県注連引原II遺跡群に関しては、居住システムについての今年度のまとめとして、主に縄文時代晩期後半から弥生時代中期中葉にかけての居住システムと住居構造について分析を行い、明治大学において開催された第4回大学合同シンポジウムで口頭発表を行った。ここでは、特に竪穴住居の少ない状況について、生業と居住の密接な関連性に注目し、不安定で移動性に富む生業形態が竪穴住居構築を志向させないシステムにしている可能性を指摘した。また、住居についても、こうした移動性・不安定性は床面の高低の程度にも反映しており、縄文時代晩期後半から弥生時代中期中葉にかけての住居の床面は浅い構造(浅床構造)であるという点を指摘した。 また、季刊考古学誌上では、独立棟持柱付建物の起源を中心に、弥生時代開始期の東日本についてまとめた。
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Research Products
(2 results)