2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15720190
|
Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
川上 洋一 奈良県立橿原考古学研究所, 研究企画交流チーム, 主任研究員 (10250383)
|
Keywords | 折衷 / 模倣 / 土器様式 / 朝鮮系無文土器 / 擬朝鮮系無文土器 / 楽浪系土器 / 弥生土器 / 焼成技法 |
Research Abstract |
該当資料の資料調査は北部九州では糸島地域の楽浪系、三韓系、朝鮮系無文土器の、さらに佐賀、熊本地域の朝鮮系および擬朝鮮系無文土器の資料調査をおこなった。また東京大学総合博物館所蔵の遼東半島出土の漢代の土器についても資料調査をおこなった。大和地域では河内地域との関連を明らかにするために、奈良盆地西南部の竹内遺跡の資料を重点的に資料調査した。 また、本年度は最終年度にあたるため、関連資料の取りこぼしのないように再収集・カード化・ファイル化に重点を置いた。 研究発表については、世界考古学会議中間会議大阪大会において、平成18年1月12日に、The hybridization and imitation of Korean Peninsula style earthenware at Northern Kyushu area during Yayoi period(邦題、弥生時代における朝鮮半島系土器の折衷と模倣)がある。この発表では、これまでの資料調査の成果をもとに、北部九州地域における朝鮮半島系土器と弥生土器との関りを折衷と模倣という観点から、楽浪系土器と朝鮮系無文土器のあり方の比較をおこなった。朝鮮半島系土器の製作地が半島であるか、北部九州内(当初は半島からの移住者による)であるかといった点と、弥生土器との差異の程度(器種構成、形態、焼成技法)によって折衷や模倣のあり方が規定されると考えた。 論文は、平成18年12月に刊行予定の論集に「壱岐、原の辻遺跡出土の楽浪系土器についての検討」を執筆した。原の辻遺跡における朝鮮半島系土器でも楽浪系土器の出土地点について、朝鮮系無文土器のあり方と比較しながら、検討をおこなった。特に楽浪系土器を舶載物資の容器と考え、これまで交易の拠点としての性格が言及されてきた原の辻遺跡の集落について、舶載物資の消費地としての一面があるという点を強調した。
|
Research Products
(1 results)